朝になると、どうしても仕事に行けない。
「行かなきゃ」と思っているのに体が動かなかったり、着替えるところまではできても玄関で止まってしまったりすると、「自分でも理由がわからない」と戸惑うことがあります。
結論からいうと、仕事に行けない状態が続くなら、無理に原因をひとつに決める必要はありません。寝不足や疲労が重なっていることもあれば、職場の人間関係や仕事内容、強いストレス、心身の不調が関係していることもあります。
この記事では、「今日はどうしたらいい?」「遊びには行けるのに仕事だけ無理なのはおかしい?」「病院へ行くほどなの?」といった疑問を、順番に整理していきます。
まず今日、どうしても仕事に行けないなら
今朝すでに「今日は無理かもしれない」と感じているなら、まず考えたいのは無理に出社することではなく、今日をどう安全に過ごすかです。
- 会社へ体調不良で休む連絡をする
- 水分をとり、食べられるものがあれば少し口にする
- 睡眠時間や体調を確認する
- 数日続いているなら受診先を探す
会社への連絡は、最初から細かく説明しなくても構いません。
たとえば、「体調がすぐれないため、本日はお休みをいただきたいです。」くらいでも十分なケースがあります。
理由を自分でも説明できない状態で、無理に「何が悪いのか」を言葉にしようとすると、それだけでさらに疲れてしまうことがあります。
「理由がわからない」ままでも不思議ではない
仕事に行けない理由は、ひとつとは限りません。
たとえば、次のようなものが重なっていることがあります。
- 睡眠不足や慢性的な疲労
- 仕事量や責任へのプレッシャー
- 上司・同僚との人間関係
- ミスへの不安
- 通勤そのものへの強い負担
- 職場でのハラスメント
- うつ病や適応障害などの心身の不調
「嫌なことがひとつあるから行けない」というより、小さな負担が積み重なって、ある朝突然動けなくなることもあります。厚生労働省の「こころの耳」でも、働く人向けにストレス、うつ病、休職・復職、職場の人間関係など幅広い相談テーマを案内しています。
参照:厚生労働省「こころの耳Q&A」
https://web4.kokoro.mhlw.go.jp/qa/
遊びには行けるのに、仕事には行けないこともある
「休みの日は出かけられるのに、仕事の日だけ行けない。だったら自分はただ仕事が嫌なだけ?」と考える人もいます。ただ、これは必ずしも矛盾ではありません。
仕事には、
- 決まった時間に行かなければならない
- 人間関係を避けられない
- ミスや評価への不安がある
- 途中で帰りにくい
など、遊びとは違うストレスがあります。
たとえば休日なら「今日はしんどいからやめておこう」と予定を変えられますが、仕事ではそう簡単にいきません。特定の環境に近づくと強くつらくなるという状態もあるため、「遊びに行ける=心身に問題がない」とは言い切れません。
朝、体が動かないときに見てほしいサイン
「行きたくない」という気持ちだけでなく、体にも変化が出ているなら注意して見ておきたいところです。
| 睡眠 | 眠れない・何度も起きる・朝起きられない |
|---|---|
| 食欲 | 食べられない・逆に食べすぎる |
| 身体症状 | 動悸・吐き気・頭痛・めまい・腹痛 |
| 気持ち | 涙が出る・強い不安・何もしたくない |
| 仕事前 | 玄関で動けない・電車に乗れない・会社が近づくと苦しくなる |
こうした状態が何日も続いている、少しずつ悪化している、生活にも影響しているなら、「もう少し我慢すれば大丈夫」と様子を見るだけでなく、医療機関へ相談することも考えてみてください。
「適応障害かも」と自分だけで決めなくていい
仕事に行けない状態について調べると、「適応障害」という言葉を目にすることがあります。確かに、職場など特定のストレス要因によって心身の不調が強くなることもあります。
適応障害
仕事や人間関係などの強いストレスが原因で、気分の落ち込みや不安、不眠などが起こり、日常生活に支障が出る状態です。
ただし、似た症状はうつ病、不安症、睡眠不足、身体疾患などでも起こるため、検索結果だけで自分の病名を決める必要はありません。受診するときも、「適応障害だと思います」と決めて話す必要はなく、
- いつから仕事に行けなくなったか
- 朝どんな症状が出るか
- 眠れているか
- 仕事以外ではどう過ごせているか
など、今起きていることをそのまま伝えれば大丈夫です。
数日続くなら「相談する」を選択肢に入れる
仕事に行けない状態が一時的な疲労なら、休養で戻ることもあります。
ただ、
- 仕事のことを考えると強く不安になる
- 何日も仕事へ行けていない
- 眠れない日が続いている
- 食事や入浴など日常生活も難しくなってきた
- 自分ではどうしたらいいかわからない
という状態なら、心療内科・精神科などへ相談してみるのもひとつの方法です。
厚生労働省の「こころの耳」でも、精神科・心療内科などの医療機関を探せる全国医療機関検索が案内されています。
参照:厚生労働省「こころの耳 相談窓口案内」
https://web2.kokoro.mhlw.go.jp/agency/
病院へ行くのもしんどいなら、オンライン診療という方法もある
心療内科へ相談したほうがよさそうだと感じても、「そもそも家から出るのがつらい」「待合室で待つのがしんどい」ということもあります。
その場合は、自宅からスマホやパソコンで受診できるオンライン心療内科も選択肢です。
オンライン診療では、自宅などから医師の診察を受けられます。ただし、症状によっては医師が対面診療を必要と判断することがあります。また、オンライン初診では向精神薬を処方できないなど、薬には一定の制限があります。
参照:厚生労働省「オンライン診療について 国民・患者の皆様へ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38226.html
オンライン心療内科には保険診療と自由診療があり、料金や診察時間も異なります。受診先を探すときは、次の記事も参考にしてください。
▶ オンライン心療内科・精神科5院を比較|保険適用・料金・診療時間で選ぶ
▶ オンライン心療内科は保険適用できる?エニキュアとOops HEARTで違いを比較
会社にはどこまで伝えればいい?
仕事を休むときに、「会社へどう説明すればいいかわからない」という不安もあります。まず1日休むだけなら、必ずしも詳しい病名まで伝える必要はありません。
一方、欠勤が続く、休職制度を使いたい、勤務時間の調整を相談したいといった場合は、会社から診断書などを求められることがあります。
その場合は、就業規則や人事担当者へ、
- 何日以上休むと診断書が必要か
- 休職制度があるか
- どの書式の診断書が必要か
を確認しておくと手続きがスムーズです。
オンライン診療でも、医師の判断により休職用の診断書を発行できるクリニックがあります。
▶ オンライン診療の診断書だけで休職できる?会社提出から休職開始まで
休む期間が長くなったら、お金のことも確認する
数日ではなく、数週間・数か月休むことになった場合は、体調だけでなく生活費も気になるところです。
会社員など健康保険の被保険者で、病気やケガのため働けず給与が十分に出ない場合は、条件を満たせば傷病手当金を受け取れる可能性があります。
傷病手当金は、原則として標準報酬月額をもとに計算した1日あたり約3分の2が支給され、支給期間は通算1年6か月です。
「申請すると何か不利になる?」と心配な方は、こちらで詳しく整理しています。
▶ 傷病手当金はもらわないほうがいい?申請前に知りたいデメリットと判断ポイント
今すぐ答えを出さなくても、次の一歩だけ決めればいい
仕事に行けないときに、
- 仕事を辞めるべきか
- 休職するべきか
- 転職するべきか
- 病気なのか
まで、一度に答えを出そうとしなくても大丈夫です。
今日休む。少し眠る。誰かに話す。病院を探す。
まずは、その中からひとつだけ決めるくらいでも構いません。
厚生労働省の「こころの耳」では、働く人や家族向けに電話・SNS・メールの相談窓口も用意されています。医療機関へ行くかまだ迷っている段階でも利用できます。
参照:厚生労働省「こころの耳の相談窓口」
https://b.ns.kokoro.mhlw.go.jp/soudan/
仕事に行けないときのよくある質問
まとめ|「仕事に行けない」が続くなら、その状態を相談していい
仕事に行けないと、「自分が弱いだけでは」「みんなは行けているのに」と考えてしまうことがあります。
ただ、原因はひとつとは限りません。
理由が自分でもわからない、遊びには行けるのに仕事には行けない、朝になると体が動かない。そうした状態も、そのまま相談して構いません。
まず今日休むことが必要なら休む。そのうえで、状態が続くなら心療内科・精神科や相談窓口を利用してみてください。通院すること自体が負担なら、オンライン診療という方法もあります。大きな決断を急ぐより、今の自分にできる次の一歩をひとつ決めるところからで十分です。


コメント