仕事の日になると起き上がれない、吐き気がする、会社のことを考えるだけで気持ちが沈む。
それなのに休日になると普通に起きられて、買い物や友人との食事にも行けると、「本当に体調が悪いの?」「ただの甘えでは?」と自分を疑ってしまうことがあります。
ただ、仕事には行けないのに休日は比較的元気、という状態だけで「甘え」と判断することはできません。
適応障害では、職場など特定のストレス要因との関係で症状が強くなり、そこから離れると軽くなることがあります。一方で、同じような状態は睡眠不足やうつ病、不安症、身体的な不調などでも起こるため、「休日は元気だから適応障害」と自分で決めることもできません。
この記事では、なぜ仕事の日だけつらくなることがあるのか、どんな状態なら医師へ相談したほうがよいのかを、できるだけわかりやすく整理します。
仕事には行けないのに休日は元気、ということはある

たとえば、こんな状態をイメージしてみてください。
| 仕事の日 | 休日 |
|---|---|
| 朝になると吐き気がする | 普通に起きられる |
| 会社を考えると涙が出る | 家族とは普通に話せる |
| 電車に乗ろうとすると苦しくなる | 買い物には出かけられる |
| 仕事中は集中できない | 好きなことなら楽しめる |
一見すると矛盾しているようですが、仕事と休日では受けている負荷が同じではありません。
厚生労働省の「こころの耳」では、適応障害について、環境変化によるストレスがその人の順応力を超えたときに情緒面・行動面の不調が生じる状態と説明しています。
また、適応障害では特定の状況から離れると症状が緩和される傾向があることも紹介されています。
つまり、職場が強いストレス要因になっている場合、休日に職場から離れることで一時的に症状が軽くなることは考えられます。
参照:厚生労働省「こころの耳|適応障害」
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1653/
「休日は元気=甘え」とは判断できない

休日に元気そうに過ごせると、「それなら仕事にも行けるはず」と考えやすいですが、仕事には休日にはない負荷があります。
- 決まった時間に出勤しなければならない
- 苦手な上司や同僚とも関わらなければならない
- ミスや評価への不安がある
- 仕事量やノルマに追われる
- つらくても途中で簡単には帰れない
一方、休日の予定なら「今日はしんどいから行かない」「疲れたから早く帰る」と自分で調整できます。
たとえば、友人と2時間ランチすることと、苦手な人間関係のある職場で8時間働くことは、同じ「外出できる」という行動でも負荷がまったく違います。
そのため、「遊びには行けたから仕事を休んだ自分はおかしい」と単純に考えなくて大丈夫です。
ただし逆に、「仕事だけつらい=適応障害」とも限りません。病名を自分で決めるより、仕事の日と休日でどのような違いがあるのかを整理するほうが、次の行動につながります。
「そもそも、なぜ仕事に行けないのかわからない」という場合はこちらの記事でも整理しています。
▶ 仕事に行けないときはどうしたらいい?理由がわからない・体が動かないときの対処法
仕事の場面だけつらくなる理由を少し整理してみる

「職場の何がつらいの?」と聞かれても、すぐには答えられない人もいます。
原因をひとつに決める必要はありません。次のような負担が重なっていないかを振り返ってみると整理しやすくなります。
| 負担になりやすいこと | 具体例 |
|---|---|
| 人間関係 | 上司が怖い・職場になじめない・ハラスメント |
| 仕事内容 | 仕事量が多い・責任が重い・仕事内容が合わない |
| 環境の変化 | 異動・転勤・昇進・転職・新しい部署 |
| 失敗への不安 | ミスが怖い・評価が気になる・叱責が怖い |
| 働き方 | 長時間労働・夜勤・通勤時間が長い |
たとえば、「仕事が嫌」というより、実際には特定の上司に会うことが怖いという場合もあります。
また、異動してから眠れなくなった、新しい仕事を任されてからミスが増えたなど、環境変化と症状の始まりに関係が見えることもあります。
診察を受ける場合も、「自分は適応障害だと思います」と病名を決めて伝えるより、いつから・何が起きて・仕事や生活にどんな影響が出ているのかをそのまま伝えるほうが医師にも状況が伝わりやすくなります。
こんな変化が続くなら「相談していい状態」と考える
「病院へ行くほどなのかわからない」という迷いもあるでしょう。
病名がつくほどかどうかを自分で判断する必要はありません。次のような変化が続き、仕事や日常生活に影響が出ているなら、医療機関へ相談することを考えてみてください。
- 仕事の日になると強い不安や憂うつ感が出る
- 吐き気・頭痛・めまいなどが繰り返し出る
- 眠れない・夜中に何度も目が覚める
- 集中できず、仕事のミスが増えた
- 遅刻や欠勤が増えている
- 朝になると体が動かず出勤できない
厚生労働省「こころの耳」では、適応障害でみられることがある変化として、憂うつ感、怒りや焦り、集中力低下、無断欠勤、発汗やめまいなどを紹介しています。
もちろん、これらがあるから適応障害と決まるわけではありません。
症状があるかどうかだけでなく、「仕事へ行けない」「仕事が手につかない」など生活への影響が出ているかも重要な相談材料になります。
参照:厚生労働省「こころの耳|専門家からのアドバイス(こころのケア)」
https://kokoro.mhlw.go.jp/etc/coronavirus_info/column/
診察では「仕事の日と休日の違い」を伝えるとわかりやすい
心療内科や精神科を初めて受診すると、「何を話せばいいかわからない」と感じることがあります。
そんなときは、難しくまとめなくても、たとえば次のように伝えれば十分です。
平日は会社へ行こうとすると吐き気がして、ここ1週間で2日休みました。休日は比較的普通に過ごせて、昨日は買い物にも行けました。最近は仕事中のミスも増えています。
これなら、
- いつ頃から症状があるか
- 仕事のときに何が起こるか
- 休日はどの程度動けるか
- 仕事へどの程度影響しているか
が伝わります。
「休日に出かけたことを言ったら仮病だと思われるのでは」と隠す必要もありません。仕事中と仕事以外で状態が違うこと自体が、診察で医師が状況を把握するための情報になります。
外出するのもしんどいならオンライン心療内科も選択肢

「一度相談してみよう」と思っても、仕事へ行くことさえつらい状態では、心療内科まで移動して待合室で待つこと自体が負担になることがあります。
その場合は、スマホやパソコンを使って自宅から医師へ相談できるオンライン心療内科・精神科も選択肢です。
厚生労働省では、オンライン診療について、自宅などにいながら医師の診察や薬の処方を受けられる診療と説明しています。
ただし、オンライン診療はすべての人・症状に適しているわけではありません。医師がオンラインでの診療が適切ではないと判断した場合は、対面診療へ切り替えます。
また、オンライン初診では向精神薬を処方できないなど、薬にも一定の制限があります。
参照:厚生労働省「オンライン診療について 国民・患者の皆様へ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38226.html
オンライン心療内科を検討したい場合は、保険適用・料金・診療時間などを比較したこちらの記事から確認できます。
▶ オンライン心療内科・精神科5院を比較|保険適用・料金・診療時間で選ぶ
健康保険を使って受診したい場合は、保険診療と自由診療の違いも確認しておきましょう。
▶ オンライン心療内科は保険適用できる?エニキュアとOops HEARTで違いを比較
オンライン診療そのものが自分に合うか迷っている方はこちらも参考になります。
▶ 心療内科・精神科のオンライン診療のメリット・デメリット|向いている人・注意点は?
仕事を休むことになったら「診断書」と会社の制度も確認する
医師から休養が必要と判断された場合や、欠勤が長引く場合は、勤務先の休職制度を使うこともあります。
休職に診断書が必要か、何日以上休むと提出が必要になるかは会社によって異なるため、就業規則や人事・労務担当者へ確認してください。
オンライン診療でも、医師が必要と判断すれば休職用の診断書を発行できる医療機関があります。
▶ オンライン診療の診断書だけで休職できる?会社提出から休職開始まで
「会社へ提出する診断書として使えるの?」という点が気になる場合はこちらで詳しく解説しています。
▶ オンライン診療の診断書に効力はある?会社で使えるケース・使えないケース
休日に元気だからと、無理に仕事へ戻る必要はない
少し休んだ日に元気になると、「今日は動けたから、明日から普通に働かないと」と焦ることがあります。
しかし、休日に数時間動けたことと、仕事へ安定して戻れることは別です。
たとえば土曜日に買い物へ行けても、月曜日の朝になると再び吐き気や強い不安が出るなら、その変化自体を医師や勤務先へ伝える材料にできます。
「元気な時間があるから休んではいけない」と考えるのではなく、仕事へ戻っても安全に継続できる状態なのかを見ていくことが大切です。
仕事には行けないのに休日は元気なときのよくある質問
まとめ|「休日は元気だから大丈夫」と一人で決めなくていい
仕事の日はつらいのに、休日になると比較的元気に過ごせることはあります。
適応障害では特定のストレス要因から離れることで症状が軽くなることがありますが、「仕事だけ無理=適応障害」「休日は元気=病気ではない」のどちらも、自分だけで決めることはできません。
大切なのは、病名を当てることよりも、仕事の日に何が起きているのか、どのくらい仕事や生活に影響しているのかを見ることです。
欠勤が続く、眠れない、吐き気や強い不安が出る、仕事が手につかないといった状態が続くなら、そのまま医師へ相談して構いません。
心療内科まで出かけること自体が負担なら、自宅から相談できるオンライン心療内科も選択肢のひとつです。


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