友人や家族に指摘され、いびき改善に本気で取り組みたい場合、CPAP(シーパップ)療法を検討する方も多いでしょう。
耳鼻咽喉科やいびき専門外来などの医療機関では、睡眠時無呼吸症候群に対する治療法としてCPAP療法が主流となっています。とはいえ、実際にCPAP療法を検討するうえでは、どのような検査方法をおこなっているのか、またどれくらい検査費用がかかるのか気になるところ。
この記事ではCPAP療法の検査方法や費用について紹介しています。
CPAP療法とは
CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)療法とは、CPAP機器からエアチューブを介し空気を鼻から送り込んで気道を拡げ、睡眠中の無呼吸を防ぐ治療法です。現在では、いびきやいびきの疾患である閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS) に有効と評価されている唯一の治療法となります。
1994年に京都大学や北海道大学など国内5大学により発足された「CPAP研究会」において、CPAPの治療有効性が確認され、有志たちの研究成果により1998年健康保険が適用されるまでになりました。
また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020では、CPAP治療はOSASに有効であり、日中の強い眠気、中等度~重度の睡眠時無呼吸症候群ではCPAPが第一選択となってます。
CPAP治療はOSASに有効であり,OSASによる日中の 眠気などの臨床症状が強い症例,および中~重症例ではCPAP治療が第一選択となり,行うことを推奨する.
引用元:睡眠時無呼吸症候群(SAS) の診療ガイドライン2020
CPAP療法の検査方法・流れ
まずはCPAP療法をおこなっている通いやすい耳鼻咽喉科、もしくはいびき専門外来を見つけましょう。「CPAP療法 ○○(お住まいの地域名)」で検索をかけて探してください。その後、医院名のGoogle口コミを参考に、評判の良さを基準にして受診するかどうか判断すると失敗が少ないです。
問診内容はいびきや眠気などの悩み、既往歴などです。いびきの症状は自分よりもパートナーの方が詳しいことが多いです。事前にいびき症状について聞いてメモしておくか、受診に付き合ってもらいましょう。
問診により睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると診断された場合、簡易検査をおこないます。
簡易検査の結果でより詳しい検査が必要となったとき、終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査をおこないます。PSGはひと晩医療機関に入院し、脳波や睡眠状態、いびきなどを熟練した専任技師が一晩中観察・記録しておこなう検査です。
医療機関により異なりますが、各検査から結果がでるまで約1週間ほどです。
治療が必要と判断された場合、あらためて医師と相談したうえで治療が開始します。
参考:無呼吸なおそう.com
CPAP療法の費用|相場はどれくらい?
CPAP療法を受けると、相場で総額で約2万円から5万円ほどかかります。内訳は以下のとおり。
項目 | 費用 |
---|---|
初診料 | 1,000円前後 |
簡易検査 | 約3,000円 |
精密検査(PSG) | 10,000円~40,000円 |
CPAP治療 | 月5,000円 |
初月は初診・検査費用等あわせて高額になります。次月からCPAP機器のレンタル代のみ、月5,000円の費用が継続する月分だけかかってきます。
CPAP療法の装置を自費購入する場合はいくら?
CPAP療法で使う機器は自費購入も可能です。ただし、CPAP本体の価格は30万円~50万円と高額となっています。加えて、マスク交換などメンテナンス費用もかかるため、レンタルで使用する方が格段に金銭的負担をおさえられます。
購入は「通院コストが減る」「買い切りで月費用がかからない」などメリットもありますが、診察がむずかしくなったりデメリットの方が大きいのが実際のところではないでしょうか。
CPAP療法はすべての人に合うわけではない
CPAP療法を受ける人の中には「やめたい」と考える方も少なくありません。また、実際にCPAP療法をやめる人もいます。理由は「長期間に及びやすい」「治療費用がかさむ」など治療自体にストレスを感じるからです。
CPAP療法は対症療法であって根本治療ではありません。それゆえに、並行して主ないびきの原因となる肥満を解消していく必要があります。肥満解消は患者の努力次第ですが、なかなか結果がでないこともあり、うまくいかないことにストレスに感じてCPAP療法を断念するのです。
【初診再診料なし】CPAP療法が合わない人に知ってもらいたいレーザー治療
CPAP療法が合わない人にはスリープスプリント(マウスピース)や外科的手術など選択肢がでてきます。
中でも日帰り可能、痛みやダウンタイムが少ない、施術時間が短いといったメリットがあるレーザー治療は患者の身体的・精神的負担を大幅に軽減されています。
レーザー治療の主流は「LAUP(ラウプ:レーザー使用口蓋垂形成術)」「ナイトレーズ」「医院独自の最新レーザー」の3種類です。
LAUPよりもナイトレーズ、ナイトレーズよりも医院独自の最新レーザーによる治療の方が、患者負担などレーザー治療のデメリットも少なくなります。
CPAP療法の費用についてよくある質問
- CPAP療法は保険が適用される?
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1998年4月、CPAP療法における健康保険の適用が開始されています。
- CPAP療法の保険適用条件は?
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いびき治療すべてに保険適用されるわけではなく、睡眠時無呼吸症候群と医師から診断された場合のみ適用範囲内となります。
- CPAPのレンタル料をおさえる方法はある?
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月のレンタル料をおさえるには、早めにいびきの原因を解消する必要があります。また、医療機関ごとにレンタル料が若干異なりますが、ほとんど変わりません。
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