いびきレーザー治療のデメリットは?施術トラブル事例も紹介!

いびきレーザー治療 デメリット

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従来のいびき治療はCPAP、マウスピースが主流でした。しかし、それぞれ睡眠中に装着する必要があり、合わない人は逆に睡眠の質が悪くなってしまう可能性があるのが難点。

そんな器具装着のわずらわしさを感じる必要もなく、技術向上によりレーザー治療も多くおこなわれるようになってきました。しかし、レーザー治療にもデメリットがあり万人におすすめできるというわけではありません

この記事ではレーザー治療のデメリットやメリットについて、また、近年広がりつつある最新のレーザー治療を紹介しています。いびき治療を悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

目次

いびきレーザー治療の種類

いびきレーザー治療は、医療用のレーザーを軟口蓋など喉の粘膜に照射し、原因箇所を切除または収縮させることで気道を広げ、空気の通り道確保によるいびき改善を目的とした治療法です。
そのいびきレーザー治療には大きく、切除する「LAUP(レーザー口蓋垂軟口蓋形成)」と切除しない「ナイトレーズ」の2種類があります。

LAUP(レーザー口蓋垂軟口蓋形成)とは

LAUP(レーザー口蓋垂軟口蓋形成)とは、レーザーを用いて口蓋垂(のどちんこ)やその周辺の軟口蓋を切除して呼吸の通り道を拡げる治療法のことです。いびきや無呼吸の軽減が期待できます。

しかしこの「LAUP」、90%以上の患者に効果が見られたと好評する病院がある反面、実は日本をはじめ世界でもあまり推奨されていません。アメリカ睡眠医学会(American Academy of Sleep Medicine:AASM)では、いびきやOSASに対する治療として推奨しないと明記されており、レーザー照射部位の疼痛や、治療後に気道が狭くなってしまう瘢痕(はんこん)狭窄などの副症状が問題になっています。
また、日本の医療機関でもいびきに対してLAUPは推奨しないとしているところが多いです。LAUPをおこなう場合は医師と十分に相談し、慎重に判断するべきでしょう。

ナイトレーズ

ナイトレーズは緩んだ軟口蓋など粘膜組織にレーザーを照射して引き締め、気道を拡げて空気の通り道を確保する治療法です。レーザーの熱によりコラーゲン・エラスチンの増生が促されることで粘膜組織が収縮しながら引き締まります。

また、LAUPと違い切らない治療法なので、痛みやダウンタイムが少ない特徴があります。治療自体は20分程度で終わり、麻酔の必要もなく(スプレー麻酔をすることもある)患者への負担が少ないいびき治療として知られます。

いびきレーザー治療のデメリット

LAUP(レーザー口蓋垂軟口蓋形成)のデメリット

実施している医院は少ない

LAUP(ラウプ)はアメリカだけでなく日本でもあまり推奨されてません。したがって、実施している医院も少ないです。

全員がいびき改善効果を感じるわけではない

LAUP治療が有効なのは、主に口蓋垂(のどちんこ)や軟口蓋が気道を閉塞している場合です。アデノイド肥大や扁桃肥大、鼻づまり、鼻中隔湾曲症などは別のそれぞれに合わせた治療法が推奨されます。

睡眠時無呼吸症候群に対する効果は少ない

LAUPの睡眠時無呼吸症候群に対する効果としては、有効とされることも効果が少ないとされることもあります。最近の報告だと、肥満指数(BMI)30前後、無呼吸指数(AHI)5の軽度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の場合には約40%の治癒率となっています。
このことから、中等度以上のOSASにはほとんど効果が得られないということが示されますが、軽度であれば口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(Uvulopalatopharyngoplasty:UPPP)よりもLAUPの方がパフォーマンスが高いことがアメリカのスタンフォード大学の報告により示されています。ただし睡眠時無呼吸症候群に対しては有効であるという信頼できるデータは存在しません。

局所麻酔をおこなう

LAUPでは局所麻酔をおこなうので、術後は頭がぼーっとしやすくなるため車での来院はできません。

ダウンタイムが長く負担が大きい

治療後、少量の出血や3~4日間の扁桃炎のような痛みが続いたり、ダウンタイムが長めです。また、当日はゼリー食が提供されることもありますし、数日は柔らかい食事が推奨されるなど、日々の生活にも支障をきたすため負担が大きいです。タバコ、アルコール、激しい運動なども制限されます。

効果がずっと続くわけではない

LAUPによるいびき症状改善効果は永続的の場合もありますが、人によっては一時的な症状改善にとどまります。患者の生活習慣や体重、健康状態などさまざまな要因が効果持続性に影響を及ぼします。特に肥満が原因の方は継続的なダイエットが必要で、ダイエットの経過次第で効果持続性を大きく左右します。

副作用や合併症が問題視されてる

疼痛や瘢痕化(元の組織よりも硬くなったり変色したり、突起したり凹んだりすること)、気道狭窄などの副作用や合併症が問題視されており、アメリカ睡眠医学会(American Academy of Sleep Medicine:AASM)において推奨されていません。

ナイトレーズのデメリット

効果がずっと続くわけではない

ナイトレーズによるいびき改善効果は、永久的に続くものではありません。

3週間おきに3回程度の治療をおこなうことで約1年ほど持続します。効果が弱まったタイミングや効果を長持ちさせるためにも1年に1度の再施術をおこない、都度メンテナンスをするのが一般的です。

参考:岸本歯科

施術費用は自己負担になり高額

ナイトレーズ治療は健康保険が適用されません。全額自己負担になるため治療費用は高額になります。

1回の施術料金は医院によって異なりますが、平均5万円前後です。また、3回コース、10回コースといったような複数回コースが安くなっていることがあります。少しでも費用を抑えて治療を受けたい場合は、このようなコース割引が用意されている医院を選びましょう。

いびきレーザー治療のメリット

LAUP(レーザー口蓋垂軟口蓋形成)のメリット

メリット
  • 施術時間が20~30分程度と短め
  • ほとんどが1回の施術で終わる
  • 保険が適用される場合がある

外科的治療にはLAUPの他に口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(Uvulopalatopharyngoplasty:UPPP)があり、それと比べると施術時間が格段に短く、入院する必要もない点がメリットです。

また、ほとんどが1回の施術で終わるため、ナイトレーズのように数週間ごとに数回受ける必要もなく、治療費用も安く済みます。睡眠時無呼吸症候群と診断されれば保険も適用されるため、比較的金銭的な負担も小さいです。

ナイトレーズのメリット

メリット
  • 施術時間が15分~20分と短め
  • 切らないので痛みが少ない
  • 治療後のダウンタイムがほぼない

LAUPと比べて施術時間が短く、15分~20分で終わることがほとんどです。

切らなずに引き締めをおこなう治療のため痛みが少ないのもメリット。LAUPだと食事制限や出血、数日間の痛みが起こりやすいのがデメリットですが、ナイトレーズは出血や治療後のダウンタイムがほぼありません。食事制限も刺激物の摂取を控えるよう伝えられる程度で、ほぼ通常通りの生活ができます。

LAUPの施術トラブル事例を紹介

LAUPを施術しておこったトラブルの実例を紹介していきます。

「低い声が出なくなった」LAUP施術者による訴訟

LAUPによるいびき治療をおこなった施術者が「必要もない口蓋垂切除を説明なしにおこなわれ、低い声がでなくなった」と訴え、3,000万円を請求した事例です。

争点は「口蓋垂切除の非適応又は説明義務違反」ですが、最終的な判決は棄却され、カウンセリングが適切におこなわれていることや同意のもとおこなわれたことなどから、医院側に落ち度がなかったと示されました。

この訴訟で学ぶべきは、LAUPの副作用・合併症リスクを事前に知っておく必要があることです。医師の説明をしっかり聞き、少しでも疑問に思ったことは聞いておきましょう。もしも対応が良くない医師だったら、自分の身を守るためにも別の医院に相談すべきだと思います。

参照:東京地方裁判所 平成15年(ワ)第7894号 損害賠償請求事件

「いびき症状悪化」LAUP施術後の瘢痕狭窄

【症例】56 歳男性 現病歴:いびき,中途覚醒を主訴 に他院耳鼻咽喉科クリニックでいびきのレーザー手術 (Laser assisted uvloplasty: LAUP)を受けた.その後 咽頭の瘢痕狭窄により症状が悪化したため 9 ヵ月後に同 クリニックにて再度 LAUP を受けた.術後約 2 ヵ月で 再度咽頭違和感と鼻閉感を自覚し症状改善目的に当院を 受診した。

引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/stomatopharyngology/35/3/35_255/_pdf/-char/ja

LAUP施術を受けた男性56歳の事例です。

この男性は、ある耳鼻咽喉科にてLAUPを受けたあと瘢痕狭窄により症状が悪化。治療から9か月後に同クリニックで再度LAUPを受けました。しかし、2度目の術後から約2か月経ったころ、咽頭の違和感と鼻づまり症状が出始めたことで、その症状を改善すべく治療を受けた医院とは別の医院で受診しました。

別の医院で受けたのは低侵襲治療のひとつ「咽頭整形術(CWICKs)」です。睡眠効率は90%以上改善され、睡眠構造も改善したそうです。また、同医院では「LAUPは睡眠時無呼吸症候群に対する適切な手段ではない」と述べています。LAUPの施術を医師から勧められた際には「本当に適切な判断なのか」十分に相談する必要があります。

いびきレーザー治療の注意点

注意点
  • いびきの原因によっては効果がない
  • 健康保険が適用されるには条件がある

レーザー治療はのどの粘膜にアプローチする治療法です。そのため、いびきの原因が鼻づまりなどの鼻由来のものであったり、中枢系のものであったりする場合は効果が期待できません。

いびきのレーザー治療は健康保険が適用される場合とされない場合があり、される場合は睡眠時無呼吸症候群と診断されたときのみです。

近年広がりつつある最新のレーザー治療とは

これまで紹介した「LAUP」や「ナイトレーズ」はいうなれば従来のレーザー治療です。最近では、各いびき専門医院独自のレーザー治療がおこなわれることがあり、従来のレーザー治療のデメリット部分がより改善されてきています。

最新レーザー治療の特徴
  • 施術時間が15~20分と短い
  • 切除しないからほぼ痛くない
  • ダウンタイムほぼなし
  • 出血はなし
  • いびきの原因にアプローチする根本治療

上記をみると、切らないレーザー治療のナイトレーズと似ています。次でどのような違いがあるのか詳しく見ていきましょう。

ナイトレーズとの比較

ここではいびきのクリニックでおこなっている「パルスプレミア」を取り上げて比較しています。

比較項目パルスプレミアナイトレーズ
治療法いびきの原因箇所にレーザーを照射し引き締めて気道を拡げる。いびきの原因箇所にレーザーを照射し引き締めて気道を拡げる。
痛み表面を傷つけにくいためほぼ痛みなし熱を感じたり表面に腫れがみられることもある
効果深層部まで届くため高い効果が期待浅めなので効果は弱め
ダウンタイムほぼなし短め
施術回数3~6回3~6回
費用1回:11万円
初回のみ29,800円
5万円前後
税込表記です。

ナイトレーズは表面を蒸散(やけどのような状態)させるので、痛みが出やすくなります。
一方、最新レーザー治療ではより深層部へアプローチ可能なため、痛みはほぼなく、例えるならわたぱちのパチパチ感程度の感覚。ダウンタイムも圧倒的に少ないのが特徴です。さらに効果も長続きしやすいメリットがあります。

最新のレーザー治療や無料カウンセリングを受けられるいびき治療院

最新のレーザー治療と無料カウンセリングを受けられるいびき治療院は全国的にはまだ少ないのがデメリットでしょう。

東京や福岡、神奈川などでは「いびき専門医院」が徐々に増えつつあります。うちライフでも徹底調査しており、おすすめのいびき専門医院を紹介しています。

いびきで悩んでいる方はまず無料カウンセリングを受け、自分の症状の度合いなどを再確認してみてください。

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この記事を書いた人

【上級睡眠指導士782号】 身長175㎝/体重62㎏。睡眠の質を高める寝具の重要さに気づいて7年経つ寝具選びのプロ。腰痛にやさしいマットレスが特に好き。寝室はマットレスだらけです。

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