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いびきをかいているときは本当に深い眠り? 浅い眠り?真相を解説

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いびきをかいているときは深い眠りのときなのか、それとも浅い眠りの状態で起きているのかという疑問を感じる方も少なくないはず。また、いびきをかいている人を起こすべきかどうか悩むこともあるでしょう。

この記事では、いびきと睡眠の関係をエビデンスをもとに解説し、健康への影響や改善策について紹介していきます。

この記事の監修者
今 真一

今真一
上級睡眠健康指導士第782号


【上級睡眠健康指導士第782号】睡眠に関わる悩みや疑問を解決するアドバイザーとして活動。他、寝具にも精通しており寝具レビューYouTubeの運営もおこなっている。

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いびきをかいているときは浅い眠りのレム睡眠

いびきをかいているときの睡眠の深さは、実際には浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)のどちらの状態でも発生する可能性があります。しかし、特定の条件下ではいびきが発生しやすくなるため、その違いについて理解することが重要です。

いびきは浅い眠り(レム睡眠)で発生しやすい

いびき 口腔粘膜

いびきは主に浅い眠りであるレム睡眠中に発生することが多いです。レム睡眠は脳が活発に活動している状態であり、筋肉の緊張が低下しているため、気道が狭まり空気の抵抗(気道抵抗)が増大します。その結果、狭くなった上気道を努力呼吸で空気を通すので、いびきが発生します。

特にストレスや疲労が溜まっている場合、レム睡眠が増える傾向にあるため、いびきが発生する可能性が高まるとされています。また、アルコールや睡眠薬を摂取した場合にも、筋肉が弛緩しやすくなるため、いびきが起こりやすくなります。

深い眠り(ノンレム睡眠)ではいびきは少ない

深い眠りであるノンレム睡眠中には、いびきが比較的少なくなるとされています。深い睡眠では気道抵抗が安定するため、気道が狭くなりにくくなるためです。

参考:Snoring: Causes, Diagnosis, and Treatment

ただし、例外的に重度のいびきをかく場合や睡眠時無呼吸症候群の人は、深い眠りの状態でもいびきが発生することがあります。その場合は、医師の診断を受けることが重要です。

いびきをかいているときは起こすべき?起こすとどうなる?

いびきをかいている人を起こすべきかどうかは、その状況によって異なります。基本的には、いびきをかいている人を無理に起こすことはおすすめされませんが、特定の場合には起こす必要性がでてくるかもしれません。

以下ではいびきをかいてる人を起こすとどうなるかを解説します。

いびきをかいているときに起こすと睡眠の質が低下する

いびきをかいているときに無理に起こすと、本人の睡眠の質が大きく低下する可能性があります。特に、睡眠の中断が繰り返されることで、脳と体の回復が妨げられることがあるでしょう。

また、睡眠不足が蓄積すると、日中のパフォーマンス低下やストレス増加につながることがあります。そのため、いびきが気になる場合でも、安易に起こすのではなく、根本的な原因を探ることが重要です。

無呼吸が疑われる場合は起こして体位を変えることが有効

いびきと同時に呼吸停止の兆候がある場合、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。この場合は、いびきをかいている人を一時的に起こして体位を変えることが効果的です。

例えば、仰向けの状態でいびきをかく場合は、横向きに寝かせることで気道が広がり、いびきが軽減されることがあります。特に重症のケースでは、専門医による診断と治療が必要です。

いびきが発生する原因

いびきは単なる睡眠中の現象ではなく、身体の状態や習慣に起因するものです。いびきの原因を理解することで、より効果的な対策ができる可能性があります。

気道の狭さがいびきの主な原因

いびきの最大の原因は気道の狭さです。これは、喉の筋肉や軟口蓋が弛緩し、空気の流れがスムーズにおこなわれなくなることで発生します。特に鼻づまりやアレルギーなどがある場合、気道がさらに狭くなり、いびきが発生しやすくなります。

また、気道の構造的な問題(例えば鼻中隔の湾曲など)がある場合も、いびきのリスクを高める要因となります。

肥満や体重増加がいびきのリスクを高める

肥満や体重増加も、いびきの原因として重要な要素です。体重が増えることで首周りに脂肪が蓄積し、気道が狭くなる可能性があります。その結果、いびきの頻度や音量が増加することがあります。

特に中高年以降になると、基礎代謝の低下や運動不足によって体重が増えやすくなるため、いびきのリスクも比例して高まる傾向があります。

いびきをかくことがもたらす健康への影響

いびきをかくことは、健康にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。特に、慢性的ないびきは重大な疾患のリスクを高めるため注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群のリスクがある

いびきをかく人の中には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を患っている場合があります。この状態は、睡眠中に何度も呼吸が停止するという深刻な症状を伴い、適切な治療を受けないと健康に重大な影響を及ぼします。

特に中年男性や肥満の人は、SASのリスクが高いとされています。症状としては、いびきが非常に大きく、日中の強い眠気や頭痛を伴うことが一般的です。

高血圧や心疾患のリスクが増加する

いびきが慢性化すると、高血圧や心疾患のリスクが高まる可能性があります。これは、いびきが酸素不足を引き起こし、血管や心臓に負担をかけるためです。

特に、いびきが睡眠時無呼吸症候群と関連している場合、そのリスクはさらに増加します。適切な医療介入が必要となるケースも多いです。

日中の眠気や集中力の低下を引き起こす

いびきをかくことによって睡眠の質が低下すると、日中の眠気や集中力の低下が顕著になります。この結果、仕事や学業に支障をきたすだけでなく、交通事故などのリスクも高まる可能性があります。

特に運転や重機操作など、高い集中力を必要とする作業をおこなう人にとっては深刻な問題となることがあります。

SAS患者の事故例

首都高速湾岸線での追突事故:2012年7月、トラック運転手が渋滞中のワゴン車に追突し、4人が死亡、2人が重傷を負いました。 後の調査で、運転手は未診断のSASであったことが判明しました。

関越自動車道でのツアーバス事故:2012年4月、ツアーバスが防音壁に衝突し、7人が死亡、38人が負傷する事故が発生しました。 運転手はSASと診断されていました。

山陽新幹線での居眠り運転:2003年2月、山陽新幹線の運転士が居眠り運転をし、岡山駅手前で停止するという事件がありました。 運転士は重度のSASに罹患していることが判明しました。

参考:一般財団法人運輸・交通SAS 対策支援センター

まとめ

いびきは浅い眠りや生活習慣に関連して発生することが多いですが、場合によっては深刻な健康問題のサインである可能性もあります。いびきの原因を正しく理解し、適切な対策を講じることで、睡眠の質を改善し、健康的な生活を送ることができます。

もし、いびきが日常生活に支障をきたすようであれば、専門医に相談することをおすすめします。日々の生活の中でできる改善策を試し、より良い睡眠環境を整えましょう。

また、近年のいびき治療として、患者負担の少ないレーザー治療があります。レーザー治療は「痛みがほぼない」「日帰りで手術ができる」「ダウンタイムがほぼない」といった特徴を持ち、忙しい現代人にぴったりの治療法です。

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参考文献と引用文

<いびきがレム睡眠中に起こることについて>

  • 論文:Snoring: Causes, Diagnosis, and Treatment
    著者:Young T. et al.
    掲載誌:Sleep Medicine Reviews (2002)
    参考箇所:”Snoring predominantly occurs during REM sleep due to reduced muscle tone, while it is less common during non-REM sleep where airway resistance is more stable.”
    (訳)「いびきは主にレム睡眠中に発生しますが、これは筋緊張の低下によるものです。一方、ノンレム睡眠中は気道抵抗が安定しており、いびきは少なくなります。」
  • 論文:Effects of REM Sleep on Airway Collapsibility in Obstructive Sleep Apnea
    著者:Malhotra A. et al.
    掲載誌:American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine (2000)
    参考箇所:”The marked reduction in muscle activity during REM sleep contributes to the increased airway collapsibility and higher risk of obstructive events.”
    (訳)「レム睡眠中の筋活動の顕著な低下は、気道の閉塞性を増加させ、閉塞性イベントのリスクを高めます。」

<ノンレム睡眠中にいびきが起こりにくい理由>

  • 論文:Upper Airway Resistance and Snoring During Non-REM Sleep
    著者:Issa F.G., Sullivan C.E.
    掲載誌:Journal of Applied Physiology (1982)
    参考箇所:”During non-REM sleep, the pharyngeal dilator muscles maintain sufficient tone, resulting in reduced upper airway resistance and less frequent snoring.”
    (訳)「ノンレム睡眠中は咽頭拡張筋が十分な緊張を維持しており、上気道の抵抗が減少し、いびきの発生頻度が低くなります。」
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この記事を書いた人

【上級睡眠指導士782号】 身長175㎝/体重62㎏。睡眠の質を高める寝具の重要さに気づいて7年経つ寝具選びのプロ。腰痛にやさしいマットレスが特に好き。寝室はマットレスだらけです。

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