日常生活の中で、私たちは様々な種類の水を飲んでいます。その中でも、RO水と天然水は特に人気がありますが、その違いを理解して選ぶことは重要です。
この記事では、RO水と天然水の特徴や、それぞれの用途に応じた選び方について詳しく説明します。健康や味、安全性の観点から、どちらが自分にとって最適な水かを見つけましょう。
超シンプルに!RO水と天然水の違い
| 種類 | 特徴 | 味 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| RO水 | 不純物をほぼ除去した「とてもきれいな水」 | 無味でスッキリ | 赤ちゃんのミルク 安全性重視 クセのない水が好き |
| 天然水 | 採水地由来のミネラルを自然に含む水 | まろやかで風味あり | 飲み水の味にこだわる コーヒーやお茶・料理で味を出したい |

佐伯 彩乃
元ウォーターサーバー販売員/フリーランスの暮らしコーディネーター/主婦向けの家電アドバイザー
元ウォーターサーバー販売員で、現在は主婦向けに家電選びのコツを発信する暮らしアドバイザー。実体験をもとに、使いやすさや電気代、安全性までわかりやすく解説。押し売りしない丁寧な情報発信が好評。
RO水と天然水との違いは?
RO水と天然水の違いを理解することは、水の選び方において非常に重要です。それぞれの水には独自の特徴と利点があり、用途や目的によって適した水が異なります。
- 水のつくられ方
RO水:逆浸透膜で不純物をほぼ除去した「とても純度の高い水」
天然水:地層を通って自然にろ過された「自然のミネラルを含む水」 - ミネラル成分
RO水:ミネラルはほぼ除去 → 必要に応じて後から添加されることが多い
天然水:採水地ごとにミネラル量が違う → 味や風味に個性が出る - 安全性・純度
RO水:ウイルス・菌・金属などを徹底除去 → 赤ちゃんにも安心
天然水:自然由来ゆえ、水源の検査がしっかりされているかが重要
水の生成方法の違い
RO水は「逆浸透膜(Reverse Osmosis)」を使用して水中の不純物を徹底的に除去した水です。このプロセスでは、非常に細かい膜を通過させることで、ウイルスやバクテリア、その他の有害物質を取り除きます。一方、天然水は自然の地層を通って地下に蓄えられた水であり、自然の浄化作用を経て採取されます。
RO水の生成方法は人工的であり、ほとんどの不純物を除去する一方で、天然水は自然のままの状態で供給されるため、自然由来の成分を含んでいます。
含まれるミネラル成分の違い
RO水は、生成過程でほぼ全てのミネラルが除去されます。そのため、必要に応じて後からミネラルが添加されることが一般的です。これにより、ミネラルバランスを調整することができます。
対して、天然水は自然由来のミネラルを豊富に含んでおり、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどの成分が水源によって異なります。これにより、地域ごとに異なる風味や健康効果が期待されます。
水質の安全性と純度の違い
RO水は、不純物をほぼ完全に除去できるため、安全性が非常に高いとされています。特に、バクテリアやウイルスなどの有害物質を含まないため、赤ちゃんや免疫力が低い人にも安心して使用できます。
天然水は自然の浄化作用を経ていますが、最近では地表の汚染や環境問題が原因で、一部の水源においてPFAS(有機フッ素化合物)などの有害物質が検出されるケースもあります。これにより、一部の天然水では徹底した検査や処理が必要となる場合もあります。
天然水の特徴
天然水は自然由来の成分を含むことから、その健康効果や味わいにおいて特別な魅力を持っています。地域ごとの特性や水質により、選ぶ楽しみも広がります。
自然由来のミネラルを含む
天然水は、地下の岩石や土壌を通過する際に自然にミネラルを取り込むため、カルシウムやマグネシウム、ナトリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。これらの成分は、日常生活に必要な栄養素としても役立ちます。
また、ミネラルが豊富な天然水は、独特の風味を持ち、料理や飲み物に深みを与えることができます。特に、硬度が高い水はそのまま飲むだけでなく、紅茶やコーヒー、炊飯に使用することで味わいを引き立てることができます。
地域による味や成分の違いがある
天然水は、採水地によって含まれるミネラル成分が異なるため、味わいや健康効果も地域によって大きく異なります。例えば、硬度の高いヨーロッパの水と、日本の軟水では、飲んだ時の口当たりや後味に違いがあります。
また、同じ国内でも山岳地帯と平野部では異なる成分を含むことがあり、地域ごとの水を楽しむ「地水」を楽しむことも可能です。これにより、旅行先でその地域特有の天然水を試す楽しみも広がります。
加熱殺菌や濾過のプロセスが必要な場合がある
天然水は自然由来の水であるため、バクテリアや微生物が含まれる可能性があります。そのため、市販されている天然水の多くは、加熱殺菌や濾過処理が施されて安全性が確保されています。
しかし、一部の天然水は無処理のまま販売されることもあり、その場合は家庭での使用前に加熱処理や濾過が推奨されることがあります。また、近年の環境汚染問題を受けて、一部の天然水にはPFASが含まれている可能性があり、選ぶ際には水質検査結果を確認することが重要です。
RO水の特徴
RO水は、徹底的に不純物を除去し、純粋な水を求める方にとって最適な選択肢です。特に安全性や飲みやすさを重視する場合におすすめです。
徹底的に不純物を除去できる
RO水は、逆浸透膜を通じてほとんどすべての不純物を除去するため、非常に高い純度を誇ります。ウイルスやバクテリア、重金属、農薬などを99.9%除去できることから、安全な飲料水としての利用が広まっています。
このため、特に免疫力が低い人や赤ちゃんのミルク作りなど、純粋な水が求められる場面で非常に重宝されています。また、RO水は調理や飲み物の味に影響を与えにくいため、どんな料理にも適しています。
無味無臭で飲みやすい
RO水は不純物が取り除かれているため、無味無臭で非常に飲みやすいという特徴があります。水本来の味が感じられるため、飲み水としてそのまま飲んでも美味しく、また飲みやすさから日常的に多くの水を摂取したい方にも向いています。
そのため、RO水はスポーツ後の水分補給や、無味無臭を求める料理や飲料に最適です。また、ペットの飲み水としても安心して使用できます。
必要なミネラルは後から添加されることが多い
RO水は生成過程でほとんどのミネラルが除去されるため、必要に応じて後からミネラルが添加されることが一般的です。これにより、好みに応じたミネラルバランスを選ぶことができ、体調や目的に合わせてカスタマイズすることが可能です。
市販されているRO水の中には、カルシウムやマグネシウムをバランス良く添加した製品も多く、飲みやすさと栄養価の両方を兼ね備えています。また、ミネラルが添加されていない純粋なRO水も選択肢としてあり、その場合は調理やデトックス効果を目的に利用されることが多いです。
日常生活でのRO水と天然水の用途別おすすめの選び方
RO水と天然水は、それぞれ異なる特性を持っているため、日常生活における用途や目的に応じて選ぶことが重要です。以下では、具体的なシーンごとにどちらの水が適しているかをご紹介します。
赤ちゃんのミルク作りにはRO水が安心
赤ちゃんのミルク作りには、純度の高いRO水が最適です。RO水はウイルスやバクテリアをほぼ完全に除去しているため、赤ちゃんの未発達な免疫システムにも優しく、安心して使用できます。
また、無味無臭であるため、ミルクの味を変えることがなく、赤ちゃんが違和感なく飲むことができます。これにより、ミルク作りの際にはRO水を使用することを強くおすすめします。
コーヒーやお茶の味を引き立てるには天然水
コーヒーやお茶の風味を最大限に引き出したい場合には、天然水を選ぶことが良いでしょう。天然水は、含まれるミネラル成分が味に深みを与え、飲み物の香りやコクを引き立てます。
特に、硬度の高い天然水は、コーヒーの苦味や酸味を和らげる効果があり、深みのある味わいが楽しめます。また、軟水の天然水は、お茶の甘みを引き立てるため、まろやかな味わいを求める方に適しています。
健康志向の方はミネラルバランスで選ぶ
健康志向の方は、ミネラルバランスを考慮して水を選ぶことが大切です。天然水は、自然由来のミネラルを多く含んでおり、日常的に必要なミネラルを自然な形で摂取することができます。
一方で、RO水は必要なミネラルが添加されている場合が多いため、自分の体調や栄養バランスに応じて選ぶことが可能です。ミネラル不足を補いたい場合は、ミネラル添加のRO水や天然水を選ぶことをおすすめします。
飲み水として選ぶならRO水と天然水のどっちがいい?
日常的に飲む水として選ぶ際には、何を重視するかによってRO水か天然水かを選ぶことができます。安全性や純度を重視するのか、それとも味やミネラル成分を楽しみたいのかがポイントです。
安全性重視ならRO水
飲み水としての安全性を最優先に考えるなら、RO水がおすすめです。RO水は不純物を徹底的に除去するため、バクテリアやウイルス、重金属などの心配がほとんどありません。
特に、免疫力が低下している方や小さなお子さんがいる家庭では、RO水を選ぶことで安心して水を飲むことができます。また、純度の高い水を求める方にも最適です。
味やミネラル成分を楽しみたいなら天然水
一方で、味わいや健康効果を重視するなら、天然水を選ぶのが良いでしょう。天然水は自然由来のミネラルを含んでおり、その地域特有の風味を楽しむことができます。
特に、コーヒーやお茶、料理の味を引き立てたい場合には、ミネラル豊富な天然水が適しています。また、日常的に健康効果を期待するなら、含まれる成分に注目して選ぶことが大切です。
料理に使う場合のRO水と天然水の選び方
料理に使用する水は、料理の種類や求める味わいによって選ぶことが重要です。RO水と天然水は、それぞれ異なる特性を持っており、料理の味や風味に影響を与えます。
味を引き立てたい料理には天然水
料理の味を引き立てたい場合には、天然水が適しています。天然水は自然由来のミネラルを多く含んでいるため、料理の旨味や風味を引き出す効果があります。
特にスープや煮物、炊飯など、料理の味が水によって左右される場合には、天然水を使用することで一層美味しく仕上がります。また、硬度の高い水を使うと、パスタや豆類の調理でも食感や味が引き立つことがあります。
味の影響を抑えたい場合はRO水
一方で、料理において水の味を抑えたい場合には、RO水が適しています。RO水は無味無臭であるため、食材本来の味を損なうことなく、純粋な味わいを楽しむことができます。
特に、デリケートな味付けが求められる料理や、素材の風味をそのまま活かしたい料理にはRO水が最適です。また、調味料のバランスを調整しやすい点も、料理において重要な利点となります。
健康や美容のためにRO水と天然水を選ぶ際のポイント
健康や美容を考慮して水を選ぶ際には、RO水と天然水のそれぞれの特徴を理解し、自分の目的に合った水を選ぶことが重要です。ここでは、具体的な選び方のポイントをご紹介します。
ミネラル不足を補いたいなら天然水
ミネラル不足を補いたい場合には、天然水が適しています。天然水には、自然由来のミネラルが豊富に含まれており、日常的に摂取することで健康維持に役立ちます。
特にカルシウムやマグネシウムを多く含む天然水は、骨や歯の健康をサポートし、筋肉の機能を維持するのに効果的です。また、天然水を飲むことで、体内のミネラルバランスを自然に整えることができます。
デトックスやダイエットにはRO水
デトックスやダイエットを目的とする場合には、RO水が適しています。RO水は純度が高く、不純物がほとんど含まれていないため、体内の老廃物を効率的に排出するのに役立ちます。
また、RO水はカロリーゼロであり、ダイエット中の水分補給に最適です。体内の水分バランスを整え、健康的な減量をサポートします。
水のpHバランスを考慮する
健康や美容を考える際には、水のpHバランスも重要な要素です。一般的に、天然水はpHが中性から弱アルカリ性であり、体に優しい水とされています。これにより、体内の酸性度を調整し、健康維持に役立ちます。
一方で、RO水はpHが低いことが多いため、アルカリ性のミネラルを添加することでバランスを取ることができます。自分の体調や目的に応じて、pHバランスに配慮した水を選ぶことが大切です。
まとめ
RO水と天然水は、それぞれ異なる特徴と利点を持っており、用途や目的に応じて選ぶことが重要です。安全性や純度を重視する場合はRO水、味やミネラル成分を楽しみたい場合は天然水が適しています。
また、日常生活での用途や健康、美容に関する目的によっても選び方が異なるため、この記事で紹介したポイントを参考に、自分に最適な水を選んでください。適切な水を選ぶことで、日常生活がより豊かで健康的なものとなるでしょう。

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