添加物は食味や色味、保存性を高める役割があり製造・流通システム的に非常に重要なもの。筆者である私は添加物に対して否定的ではないですが、「この添加物は気になるな」と感じることもあります。
味の素が展開する冷凍宅配弁当サービス「あえて、」にはどんな添加物が含まれているのか気になっている方も少なくないでしょう。
この記事では「あえて、」を実食レビューした筆者が添加物について詳しく調べた内容を紹介しています。
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「あえて」の添加物は身体に悪い?危険性は?
結論をいうと、身体に悪影響を与えるような添加物は使われておらず危険性はありません。というのも、健康に害のない使用できる食品添加物は適正使用量や使用可否など厚生労働省が法律で定めているためです。
摂取量はヒトが一生かけて常習的に食べても被害のない量となっており、その特定の成分だけを摂取し続けない限り体に影響を与えることはありません。
それでもなるべく無添加の冷凍弁当サービスが良いという方は以下の記事も参考にしてみてください。
参考:厚生労働省「食品添加物」
「あえて、」の添加物一覧
現在公開されている「あえて、」のメニュー20種類で使われる添加物は以下のとおりです。役割別に分けています。
味や風味を改善するもの
- 調味料(アミノ酸等):食品の風味を向上させる。
- 香料:特定の香りを食品に加える。
- 香辛料抽出物:食品にピリッとした味や香りを加える。
色を付けるもの
- カロチノイド色素:黄色・赤色をつける天然着色料。
- ベニコウジ色素:赤色の天然着色料。
- クチナシ色素:黄色の天然着色料。
- カラメル色素:茶色をつけるために使用。
- アカキャベツ色素:赤や紫の色をつける天然着色料。
- ウコン色素:黄色の天然着色料。
食感や保持性を強化するもの
- 増粘剤(加工でん粉):食品の粘りや安定性を高める。
保存性や安定性を向上させるもの
- pH調整剤:食品の酸性度やアルカリ度を調整。
- ポリリン酸Na:品質保持として使用。
- リン酸塩(Na):品質保持や質感調整のために使用。
- くん液:肉や魚の保存性を高めるために使われる液体。
- 発色剤(亜硝酸Na):特に加工肉の色を鮮やかに保つ。
甘味を加えるもの
- 甘味料(カンゾウ):マメ科の植物「甘草」から抽出される天然甘味料。
気になる添加物は3つ
日本は添加物に対して許容が大きめで、日本で使って良いとされていても米国やEUなどでは禁止されていることもあります。
以下、「あえて、」で使用されている中で、海外では使用が禁止されている、または厳しく使用量が制限されている添加物を3つ紹介します。
- カラメル色素
- ポリリン酸Na
- 発色剤(亜硝酸Na)
カラメル色素
カラメル色素は日本では馴染みの深い添加物です。お菓子やカップラーメン、コーラなど幅広く使われています。「あえて、」では多くのメニューで使われます。
あまり知られてませんが、カラメル色素には「カラメルⅠ~Ⅳ」の4種類があり、問題となるのは「カラメルⅣ」です。カラメルⅣはその製造過程で「4-メチルイミダゾール」が生成されます。そして、カラメル色素はどの種類を使っているか表示義務がなく、消費者が判断できないのも問題です。「あえて、」でもどの種類が使われているかはわかりません。
4-メチルイミダゾールの懸念される影響は発がん性です。あるマウス実験で発がん性が明確に疑われたため、国際がん研究機関(IARC)によって4-メチルイミダゾールをグループ2Bに分類。グループ2B は「ヒトに対する発がん性が疑われる」というレベルとなります。
しかし、食品安全委員会がまとめた資料によると「カラメル色素として食品に用いられる濃度では、差し迫った危険性や短期的な危険性があると考えるべき理由はない」とされており、特に神経質になる必要はないようです。
それでも日本で広く使われるカラメル色素については、ひとつの健康知識として知っておくべき内容ではないでしょうか。
ポリリン酸Na(ナトリウム)
ポリリン酸ナトリウムは、食品加工助剤としての役割があり、ソーセージなど食肉製品、かまぼこなどの魚肉加工品には必要不可欠な食品添加物です。「あえて、」のメニューで含まれているのは「甘辛海老チリ、オムライス風まぜご飯」のみです。
体に与えるとされる影響としては、カルシウムの吸収を妨げる、腎臓に負担がかかりやすくなるなど。ただ過剰摂取による影響なので、よほどそればかり摂取しない限り健常者であれば健康を害することはないでしょう。
注意すべきは慢性腎臓病(CKD)患者です。CKDの場合はリンの摂取が制限されます。ポリリン酸塩は無機リンで、肉や魚に含まれる有機リンと比べると体内に吸収されやすいのが特徴です。そのため加工食品を多く食べていると血清リン値が高くなることがあり注意が必要です。
発色剤(亜硝酸Na)
亜硝酸ナトリウムは、ハムやソーセージ、いくらなどの加工食品の発色をよくするために使われることが多い添加物です。発色剤としてだけでなく、ボツリヌス菌の生育を抑え、食肉製品の腐敗を防止する防腐剤としての役割もあります。
発がん性が懸念されることがありますが、1995年、2002年のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)での評価において、「ヒトの摂取と発がんリスクとの間に関連があるという証拠はない」とされています。
亜硝酸ナトリウムが「発がん性を促がす物質」として疑われ始めたのは1970年代からです。当時、ドイツで「魚と野菜を食べると胃の中で発がん物質ができる」という研究結果が報告されたことによります。その後、魚に含まれるアミンと野菜に含まれる亜硝酸塩が反応するのではないかという仮説が立てられました。この「仮説」が今日も続いており、いまだに研究段階ではあるようですが、節々で報告される研究内容はあまり信頼性のあるものはないとのことで、ハッキリとしたことはわかっていません。
つまり、発がん性があるというエビデンスはないのに、世間では「亜硝酸塩は危険」という噂が独り歩きしているという状況になっていると考えられます。
参考:食品安全委員会
「あえて、」で使われる添加物とその使用料は安全
前述したとおり、「あえて、」で使われる添加物は厚生労働省が法律で制定している内容に準拠しているため安全です。
ただ、人によっては病気などのなるべく摂取しない方が良い添加物もあるでしょう。例えば、当記事で紹介しているものだと「慢性腎臓病(CKD)患者はポリリン酸塩を含む食品を食べるのを控える」といった内容が該当します。
冷凍弁当サービスを利用する際は、その都度、自分の目的や状態などに合わせたものを選んでみてください。
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