突然いびきをかくようになると、自分も周りの人も驚きますよね。いびきは睡眠中に発生する音で、健康に関わるサインの可能性があります。
この記事では、急にいびきをかくようになった原因を男女別に詳しく解説します。原因を知り、適切な対処法を見つけるための参考にしてください。

今真一
上級睡眠健康指導士第782号
【上級睡眠健康指導士第782号】睡眠(いびき・不眠等)に関わる悩みや疑問を解決するアドバイザーとして活動。他、寝具にも精通しており寝具レビューYouTubeの運営もおこなっている。
急にいびきをかくようになった原因とは?その一般的な要因
急にいびきをかくようになることには、いくつかの一般的な要因が考えられます。以下のような原因がいびきを引き起こす可能性があります。
肥満や体重増加
肥満や体重増加は、いびきの主要な原因の一つです。体重が増えると、喉の周りの脂肪が増え、気道が狭くなるため、いびきをかきやすくなります。
特に首回りに脂肪がつくと、気道が圧迫されて呼吸がしにくくなり、いびきを引き起こすことがあります。ダイエットや運動で体重をコントロールすることが重要です。
アルコールの摂取
アルコールを摂取すると、喉の筋肉が緩み、気道が狭くなります。これにより、いびきが発生しやすくなります。
特に寝る前にアルコールを摂取すると、いびきをかきやすくなるため、飲酒の量や時間を調整することが大切です。
睡眠不足
睡眠不足は体の筋肉を緩ませ、喉の筋肉も例外ではありません。これにより、気道が狭くなり、いびきが発生します。
規則正しい睡眠スケジュールを保つことが、いびきの予防に効果的です。
喉や鼻の構造変化
喉や鼻の構造に変化が生じると、気道が狭くなることがあります。例えば、鼻中隔の湾曲や扁桃腺の肥大などが原因です。
これらの構造的な問題は手術で改善できる場合があります。医師に相談することをおすすめします。
アレルギーや鼻炎
アレルギーや鼻炎は鼻詰まりを引き起こし、口呼吸を強いることがあります。これにより、いびきをかきやすくなります。
代表的なアレルギーの例は以下のとおりです。
- ハウスダスト(ダニの死骸やフンなど)
- 花粉(スギ、ヒノキ、イネなど)
- ペットの毛やフケ
- カビ
- タバコの煙やPM2.5などの空気汚染物質
- 気温差や乾燥による血管性鼻炎
アレルギーが関係している場合は、なにが引き金になっているのかを把握し、適切な対策や治療をおこなうことが重要です。
加齢
加齢に伴い、筋肉が緩み、気道が狭くなります。これにより、いびきをかきやすくなります。年齢を重ねることで、いびきをかくリスクが高まるため、健康的な生活習慣を維持することが重要です。
男性が急にいびきをかくようになった原因
男性が急にいびきをかくようになる原因には、いくつかの特徴があります。以下に、男性特有の原因を挙げます。
- 肥満や体重増加
- アルコールの摂取の増加
- ストレス
- 筋肉の緩み
男性が急にいびきをかくようになる背景には、体重の増加やアルコール摂取の増加、ストレスの蓄積などが大きく関係しています。これらはすべて、喉の周囲の筋肉を緩めたり、気道を狭めたりする要因となり、いびきを引き起こしやすくします。
特に男性は加齢とともに筋肉の緊張が低下しやすく、睡眠中の気道閉塞が起こりやすくなるため注意が必要です。生活習慣の見直しが改善の第一歩となります。
女性が急にいびきをかくようになった原因
女性特有の原因もあります。以下に、女性が急にいびきをかくようになる原因を挙げます。

- ホルモンバランスの変化
- 妊娠
- 閉経
女性が急にいびきをかくようになる原因には、ホルモンバランスの変化が深く関わっています。特に妊娠中や閉経期には、体内のエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が変化し、気道を支える筋肉が緩みやすくなります。
また、妊娠中は体重の増加や鼻づまりが起こりやすく、いびきが出やすくなる傾向があります。これらは一時的なものも多いですが、慢性化を防ぐためには、睡眠環境の見直しや医療機関での相談も必要です。
急にいびきをかくようになった場合の対処法
「最近いびきを指摘されるようになった…」という方は、放置せず早めに対策をとることが大切です。以下のような方法で、原因を見極めつつ改善を目指しましょう。
生活習慣を整える|いびき予防の基本

いびきの多くは、生活習慣の乱れが関係しています。特に以下の点に注意しましょう。
- 体重の管理
- 食生活の見直し
- 睡眠リズムの安定
いびきを改善するには、まず日常生活の見直しが大切です。特に体重の管理は重要で、肥満によって喉まわりに脂肪がつくと気道が圧迫され、いびきの原因となります。
また、アルコールや脂っこい食事、就寝直前の飲食は気道を狭めやすく、いびきの悪化に直結します。加えて、睡眠不足も喉の筋肉をゆるめ、気道を狭くしてしまうため、毎日安定した睡眠リズムを保つことが、いびきの予防と改善には欠かせません。
寝る姿勢を変える|横向き寝が効果的
仰向けで寝ると、舌が喉の奥に落ち込みやすく、気道をふさぎやすくなります。横向きに寝ることで気道が開き、いびきを軽減できる場合があります。
- 横向き寝をサポートする抱き枕や専用の枕を使う
- 寝返りをサポートするマットレスを選ぶ
就寝時の姿勢は、いびき予防に意外と重要です。
専門医に相談する|まずは何科に行けばいい?
いびきが気になる場合は、まず耳鼻科での受診がおすすめです。

- まずは耳鼻科へ
- 必要に応じて睡眠外来や呼吸器内科へ
鼻づまりや喉の構造など、気道に関する問題を診てもらうことができます。さらに、必要に応じて睡眠外来や呼吸器内科で睡眠時無呼吸症候群の検査を受けるのも有効です。
いびきを放置すると高血圧や糖尿病などの生活習慣病につながるリスクもあるため、早めの受診が大切です。
医療による治療法も選択肢に|いびき治療の代表例

いびきが重度であったり、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、医療による治療も視野に入れる必要があります。代表的な治療法には、CPAP(シーパップ)療法、マウスピース治療、外科的手術、ナイトレーズなどがあります。
CPAPは、専用の装置で鼻から空気を送り込み、気道の閉塞を防ぐもので、無呼吸の改善に高い効果が期待されます。マウスピース治療は軽度の無呼吸やいびきに適しており、歯科で作成可能です。さらに、鼻中隔の矯正や扁桃腺の除去といった外科的手術が必要になるケースもあります。
また、ナイトレーズというレーザー治療も注目されており、痛みが少なく比較的手軽に行えるのが特長です。
まとめ|急にいびきをかくようになった原因と対策を正しく理解しよう
突然のいびきには、体重の増加や生活習慣の乱れ、ストレス、そして男女それぞれの体の変化など、さまざまな要因が関係しています。男性の場合は肥満やアルコール、筋力の低下などが、女性はホルモンバランスの変化や妊娠・閉経などが関係しやすい傾向にあります。
まずは生活習慣を見直すことが第一歩です。横向きで寝る、適切な枕を使うといった工夫も有効。症状が続く場合や日中の眠気が強い場合は、耳鼻科や睡眠外来の受診も検討しましょう。いびきは放置せず、正しい知識と対策で改善につなげていくことが大切です。
コメント