せいろを使う際に必要な「蒸し布」と「さらし」。どちらを選べばよいのか迷うこともあるでしょう。
この記事ではそれぞれの特徴や使い分けを詳しく解説し、用途別におすすめの種類を解説。蒸し料理をよりおいしく仕上げるためのポイントも解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。

今真一
元料理人(都内数店舗で修行)・上級睡眠健康指導士
10年ほど都内のイタリアンで修行し、料理長も務めた経験あり。現在は睡眠に関わる悩みや疑問を解決するアドバイザーとして活動。妻と子供2人のため、毎日夜ご飯を作っている。
【結論】せいろで使うなら蒸し布とさらし、どちらがベスト?
せいろで使用する際、蒸し布とさらしはそれぞれ異なる特性を持っています。
結論としては、粘り気のある食材や細かい具材には「蒸し布」、シンプルな蒸し料理には「さらし」が適しています。用途に応じた使い分けができるのがベストです。それぞれの特徴を理解し、最適な選択をしましょう。
蒸し布とさらしの特徴比較
まずは、蒸し布とさらしの基本的な違いを比較していきます。おおまかな比較は次の表のとおりです。
特徴 | 蒸し布 | さらし |
---|---|---|
生地の厚み | 厚手で目が細かい | 薄手で目が粗い |
食材の こぼれにくさ | こぼれにくい | こぼれやすい |
吸水性 | 高い | 低い |
蒸気のまわり | 均一にしやすい | 蒸気が直接食材に触れやすい |
汚れの 落ちやすさ | 乾きにくいがしっかり洗える | 乾きやすく手入れがしやすい |
適した用途 | おこわ・赤飯・点心・肉まん | 野菜蒸し・魚蒸し・軽めの調理 |
プロの 使い分け | 点心・肉まんなど生地がくっつく料理に | 野菜蒸しで蒸気の循環を良くする |
それぞれの特性を理解することで、使い分けがしやすくなりますね。
用途によって使い分けをするってどういうこと?
例えば、おこわや赤飯のように米粒がこぼれやすい料理には、目の細かい蒸し布が最適です。一方、野菜や魚など水分の多い食材は、さらしを使うことで適度に水分を逃がしながら蒸し上げることができます。
プロの料理人も蒸し布とさらしの使い分けをしてる?
プロの料理人も、用途に応じて使い分けていることがあります。点心や肉まんには蒸し布を使用し、生地がくっつかないように工夫することが多いです。逆に、シンプルな野菜蒸しではさらしを使い、蒸気の循環を良くすることがポイントになります。
使い分けないで使う場合はどっちがおすすめ?
「両方買うのは面倒」「料理が苦手だから使い分けは難しい」――そんな方には、蒸し布を選ぶのがおすすめです。
- どんな料理にも対応しやすい
蒸し布は目が細かいため、おこわや赤飯のような細かい食材も問題なく蒸せますし、野菜や魚などの水分が多い食材にも対応可能です。 - 食材がくっつきにくい
肉まんや点心などの生地がくっつくのを防ぎ、きれいに仕上げられます。 - 耐久性があり、長く使える
厚手で丈夫なため、繰り返し洗ってもへたりにくく、長持ちしやすいです。
使い分けが面倒な場合は、「蒸し布」ひとつあれば十分対応できます。
おこわ、野菜、魚、点心など、さまざまな食材に使いやすく、初心者でも扱いやすいのがメリット。少し手間はかかりますが、乾燥とお手入れに気をつけることで、長く愛用できますよ。
せいろで蒸し布やさらしを使う理由とは?

せいろを使う際に蒸し布やさらしを敷くのには、いくつかの重要な理由があります。
食材のくっつきを防ぐ
せいろに直接食材を置くと、蒸した後にくっついてしまい、見た目や食感が悪くなることがあります。特に、もち米や点心の皮、魚の皮などは蒸し布を敷くことで剥がれにくくなります。
せいろの汚れを防止する
食材の汁がせいろに直接つくと、木材がシミになったり、においが移ったりすることがあります。蒸し布やさらしを敷くことで、せいろの汚れを防ぐことができます。
蒸気のまわりを均一にする
蒸し布やさらしは、食材に均等に蒸気が回るようにする役割もあります。特に蒸し布は吸水性があるため、蒸気を適度に吸収して食材が乾燥するのを防ぎます。
蒸し布とは?特徴とメリット・デメリット
蒸し布の素材と特徴
蒸し布は、綿や麻で作られた厚手の布で、しっかりとした生地感が特徴です。目が細かく、蒸す際に食材がこぼれにくいため、おこわや赤飯、点心などの調理に適しています。
- 厚手で丈夫な生地
- 目が細かく、食材をしっかり包める
- 吸水性が高く、蒸気を均一に広げる
- しっかり乾かす必要がある
蒸し布は、しっかり蒸し上げたい料理や、食材の形を崩したくない場合に活躍します。用途に合わせて、さらしと使い分けることで、より美味しく仕上げることができます。
蒸し布のメリット・デメリット
食材がくっつきにくく、均一に蒸し上げることができる。
厚手のため乾きにくく、汚れが落ちにくい場合がある。
蒸し布は、食材がくっつきにくく、蒸気を均一に行き渡らせることができるのが魅力。特に、おこわや赤飯、点心などをふっくら仕上げたいときに活躍します。
厚手のため乾きにくく、汚れが繊維に入り込みやすい点がデメリット。使用後はすぐに洗い、しっかり乾燥させることで清潔に保てます。
蒸し布の特性を理解して、料理に合わせた使い方をすると、より美味しく仕上がりますよ。
さらしとは?特徴とメリット・デメリット
さらしの素材と特徴
さらしは、薄手の木綿布で作られており、吸水性に優れながらも乾きやすいのが大きな特徴です。シンプルな構造ながら通気性が良く、蒸し料理において蒸気の循環を助ける役割を果たします。
- 軽くて扱いやすい
- 吸水性がありながら乾きが早い
- 目が粗く、蒸気を通しやすい
- 汚れが落ちやすく、お手入れが簡単
さらしは、手軽に使えてお手入れもしやすいことから、日常の蒸し料理や和食の調理に幅広く活用されています。用途に合わせて上手に使いこなしましょう!
さらしのメリット・デメリット
軽くて取り扱いやすく、乾燥が早い。
目が粗いため、細かい食材がこぼれやすい。
さらしは軽くて扱いやすく、乾きが早いのが特徴。洗った後もすぐに乾くので、お手入れが簡単で衛生的に使えます。
生地の目が粗いため、細かい食材がこぼれやすいのが難点。おこわや赤飯など、粒の小さい食材には不向きな場合があります。
使う料理に合わせて、蒸し布と上手に使い分けるのがポイントです!
蒸し布とさらし、どっちがせいろに向いている?用途別おすすめ
料理に合わせて適切な布を選ぶことで、仕上がりの美味しさがぐっとアップします!
おこわや赤飯を蒸す場合のおすすめ

おこわや赤飯は米粒が小さく、蒸す際にこぼれやすいのが特徴。そのため、目の細かい蒸し布を使うと、粒が隙間から落ちる心配がなく、ふっくらと均一に蒸し上げることができます。
野菜や魚を蒸す場合のおすすめ

野菜や魚は水分が多く、蒸すと余分な水分が出やすいため、通気性の良いさらしを使うのがベスト。蒸気をうまく循環させることで、べちゃっとならずに、しっとり仕上がります。
点心や肉まんを蒸す場合のおすすめ

点心や肉まんは皮が柔らかく、蒸すとせいろにくっつきやすいのが難点。蒸し布を敷いておけば、生地が破れるのを防ぎ、きれいな形を保ったまま蒸し上げることができます。
蒸し布・さらしそれぞれの正しい使い方とお手入れ方法
蒸し布とさらしそれぞれの正しい使い方やお手入れ方法を紹介しています。特に、長く清潔に使うためにも、使用後の洗浄としっかりした乾燥を習慣にしましょう!
蒸し布の使用前準備と手入れ方法
<使用前の準備>
蒸し布は乾いたまま使うと食材がくっつきやすくなるため、使用前に一度水で濡らし、しっかり絞ってから使用するのがポイント。これにより、蒸気が均一に広がりやすくなり、食材が布に張り付くのを防ぎます。また、濡らすことで焦げ付きのリスクも軽減できます。
<使用後のお手入れ>
使用後は、食材のカスや油分が残らないようすぐにぬるま湯で軽くすすぎ、汚れがひどい場合は中性洗剤で優しく洗います。蒸し布は厚手で水分を吸収しやすいため、しっかり洗い流した後、風通しの良い場所で完全に乾燥させることが大切。乾燥が不十分だとカビや雑菌が繁殖しやすくなるため、できるだけ広げて干すのが理想的です。
さらしの使用前準備と手入れ方法
乾燥も比較的早いですが、風通しの良い場所でしっかり乾かし、湿気を避けて保管すると清潔に使い続けられます。
<使用前の準備>
さらしは乾いたまま使うと蒸気をうまく吸収できず、ムラができやすいため、使用前に軽く水で湿らせてから絞るのがポイント。これにより、蒸気が均一に広がりやすくなり、食材の水分が適度に調整され、しっとりと仕上がります。また、さらしが食材にくっつくのを防ぎ、スムーズに取り出せるようになります。
<使用後のお手入れ>
さらしは薄手で汚れが落ちやすく、乾きも早いため、使用後はすぐにぬるま湯で洗い流し、汚れが気になる場合は中性洗剤でやさしく洗うのが理想的。特に野菜や魚を蒸した後は、食材のにおいがつきやすいので、こまめに洗うことが大切です。
さらしはお手入れが簡単なので、こまめに洗って清潔に保つことが、美味しく蒸し上げるコツです!
長持ちさせるための保管方法と注意点
蒸し布やさらしを長く清潔に使うためには、しっかり乾燥させてから保管することが大切です。湿ったまま収納するとカビや雑菌が繁殖しやすくなり、衛生的にも良くありません。
- 完全に乾燥させる
洗った後は風通しの良い場所でしっかり乾かし、湿気を残さないようにしましょう。特に蒸し布は厚手のため、広げて乾かすとより効果的です。 - 通気性の良い場所に収納
ビニール袋など密閉された場所ではなく、布袋や通気性のある容器に入れて保管すると、湿気がこもらずカビを防ぐことができます。 - 定期的に洗って清潔を保つ
長期間使わない場合でも、時々洗って乾かしておくことで、臭いやカビの発生を防げます。
せいろの用途に合わせて蒸し布とさらしを上手に使い分け、美味しい蒸し料理を楽しみましょう!
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