スーパーなどで購入するあんこを「甘すぎる」と感じている方のためのレシピを紹介しています。あんこは通常の作り方だと、40分から50分程度かかりますが、圧力鍋を使えば30分程度で作れるので時短になります。
この記事では、元料理人の私が圧力鍋を使った甘さ控えめあんこの作り方や、選ぶべき砂糖、注意点を紹介。健康に配慮したい方や、手作りの味を楽しみたい方にぴったりの内容です!
元料理人が教える圧力鍋を使ったあんこの基本の作り方
ここでは、元料理人の視点から、圧力鍋を使った甘さ控えめあんこの基本的な作り方をご紹介します。初めての方でも簡単に作れるように、ステップごとに詳しく解説します。
- 小豆:200g
- 好みの砂糖:70g(最低限の甘さ)
- 塩:1g
- 水:600㏄くらい(小豆の3倍が目安)
今回の砂糖はてんさい糖を使ってます。てんさい糖は甘さがすっきりしているため、上記分量だとやや足りないと感じたので、調整をして最終的に80g入りました。
使用した小豆は以下のものです。
小豆の下準備をする
まず、小豆をしっかり洗いましょう。小豆にはホコリや汚れが付いていることがあるため、水を変えながら2~3回洗うことが大切です。
白いんげん豆などは前日から8時間以上浸水させておいたりしますが、小豆は浸水する必要がありません。
一度沸騰させて渋きりをする
あずきにはポリフェノールなどの成分が含まれており、これが独特の渋みや苦みの原因となります。渋切りをすることで、これらの成分を減らし、仕上がりがすっきりとした味を作れます。
今回使用した「まめやの底力」というあずきは、灰汁の量も少なかったので渋きりは一度だけにしました。一般的には2~3回することもあるようですが、あずきによって回数は変えていいと思います。
沸騰後の灰汁の量、エグみで判断すると良いですよ。
沸騰後、弱中火で1分ほど沸騰させたら一度お湯を捨てます。
圧力鍋で小豆を加熱する
お湯を切った小豆を再度圧力鍋に入れ、分量の水(600㏄)を加えます。
圧力鍋の蓋を閉め、沸くまで強火で加熱します。圧力がかかったら弱火にし、20分から25分程度加熱します。その後、火を止めて自然放置で圧力を抜きます。
もし加圧時間が足りなくても、追加で加圧すればいいので気軽なタイマー設定で大丈夫です。
加圧が終わったら小豆が柔らかくなったか確認
加圧が終わったら小豆が柔らかくなっているか、手でつぶして確認してみてください。軽い力でつぶれたらちょうど良い具合です。
砂糖と塩を加えて味を調える
小豆が柔らかくなったら、弱火にしながら砂糖と塩を加えていきます。塩を加えることで甘さが引き立ち、味がまとまります。砂糖は2~3回に分けて加えていきましょう。
砂糖を一度に大量に加えると、浸透圧の作用で豆の表面が固くなり、中まで均一に甘さが浸透しにくくなります。数回に分けて少しずつ加えることで、豆が柔らかく煮えた状態を保ちながら、均等に甘みを染み込ませることができます。
弱火のまま好みの水分量に調整
砂糖を加えたら、木べらかゴムベラで優しく混ぜながら弱火で煮詰めます。焦げ付かないように注意しながら最終的な水分量を調整します。
こんな感じで水分がどんどんなくなっていくので適宜水を追加します。
最終的にこんな感じになります。
火を強くして混ぜすぎると豆がつぶれてしまいます。もちろん適度につぶれる方が好きなど好みがあるはずなので、混ぜながら粒々感も調整してみてください。
圧力鍋で作る甘さ控えめあんこの魅力とは?
自分であんこを作ると、好みの甘さに調整でき、さらに圧力鍋を使うと時短にもなります。メリットを簡単にまとめてます。
- 短時間で調理できる
- 甘さを自分好みに調整できる
- 保存料を使わないから安心
短時間で調理できる
圧力鍋を使う最大のメリットは、調理時間の短縮です。通常、小豆を柔らかくするには50分ほどかかりますが、圧力鍋を使えば30分程度で柔らかくなります。
圧力鍋の高温高圧の力で小豆の繊維が効率よく分解されるため、短時間で美味しいあんこが作れます。これにより、ガス代や電気代の節約にもつながります。
意外と簡単に作れるので、ぜひ挑戦してみてください。
甘さを自分好みに調整できる
市販のあんこは、どうしても甘すぎると感じる方も多いのではないでしょうか。手作りなら砂糖の量を自由に調整できます。甘さ控えめにしたり、逆に甘さを強めたりするのも自由自在です。
さらに、砂糖の種類を変えることで風味をカスタマイズすることも可能。健康志向の方や甘いものが苦手な方にもぴったりのあんこを作ることができます。
甘くないあんこを見つけるのもむずかしいですし、見つけたとしても平均価格よりも高めの場合が多いです。それなら手作りした方が、探す手間もなくコストも抑えられ、メリットが大きいのではないでしょうか。
保存料を使わないから安心
市販品の多くには保存料や添加物が含まれています。しかし、手作りならそういったものを使う必要がありません。シンプルな材料で安心して食べられるのは、大きな魅力です。
また、手作りなら使用する材料の産地や品質にもこだわれます。家族や自分の健康を考えるなら、ぜひ手作りをおすすめします。
個人的には保存料が悪と思いませんが、自分の子供にはなるべく取らせたくないという想いです。
甘さ控えめなあんこを作るときの砂糖の選び方とコツ
砂糖の選び方によって、あんこの風味や甘さが大きく変わります。
きび砂糖を使うとコクが出る
きび砂糖は、ミネラルが多く含まれているため、独特のコクと深みを出すことができます。甘さを控えめにしても物足りなさを感じにくいのが特徴です。
また、きび砂糖は白砂糖よりも体に優しいとされているため、健康志向の方にもおすすめです。
砂糖の量を小豆の60%にすると甘さ控えめになる
一般的なあんこのレシピでは、小豆の80%ほどの砂糖を使うことが多いですが、甘さ控えめにしたい場合は小豆の60%程度に抑えましょう。
程よい甘さのあんこなら60%、通常の甘さなら80%ほど、特に甘さを控えたい場合は約40%の砂糖の量にしてみましょう。砂糖が少ないほど小豆の味わいが感じられるようになります。
今回はさらに少なめの約40%の砂糖にしています。
てんさい糖を使うと優しい甘さになるから
てんさい糖は、てんさい(さとう大根)から作られる自然派の砂糖で、優しい甘さが特徴です。血糖値の上昇が緩やかになるといわれており、健康面を気にする方に最適です。
また、てんさい糖を使うことで、よりナチュラルな味わいを楽しむことができます。和菓子との相性も抜群です。
きび糖もおいしいですが、てんさい糖の方が優しめの甘さに仕上がるのでおすすめです。
圧力鍋で甘さ控えめあんこを作る際の注意点
今回の圧力鍋で作る甘さ控えめあんこですが、いくつかポイントがあるのでまとめておきます。
小豆が柔らかくなるまで加熱する
小豆が硬いままだと、口当たりが悪くなってしまいます。圧力鍋での加熱時間をしっかり守り、小豆が柔らかくなるまで加熱しましょう。加熱後に小豆を指でつぶしてみて、簡単につぶれるようであればOKです。
砂糖を加えるタイミングに注意する
砂糖を加えるタイミングが早すぎると、小豆が硬くなりやすくなるため注意が必要です。小豆が完全に柔らかくなってから砂糖を加えるようにしましょう。
また、砂糖を一気に入れるのではなく、数回に分けて加えると均一に甘さが行き渡ります。
焦げ付かないようにかき混ぜる
砂糖を加えて煮詰める際には、鍋底が焦げ付かないように木べらかゴムベラで適度にかき混ぜることが重要です。
特に、あんこが煮詰まってきた終盤では焦げ付きやすくなるので、注意しましょう。
火の強さにも十分注意してください。IHだとより鍋底にあたりやすくなります。
甘さ控えめあんこを使ったおすすめアレンジレシピ
手作りした甘さ控えめのあんこは、そのまま食べるのはもちろん、さまざまなアレンジレシピにも活用できます。ここでは、特におすすめの3つのレシピをご紹介します。
あんバタートースト
トーストにバターを塗り、その上に甘さ控えめのあんこをのせるだけで、贅沢な朝食やおやつが完成します。バターの塩気があんこの甘さを引き立てます。
お好みで、あんこの上にさらにシナモンをふりかけると、香り豊かな味わいを楽しめます。
おはぎ
もち米を炊いて丸め、甘さ控えめのあんこで包むだけで簡単におはぎが作れます。健康志向の方には、もち米の代わりに雑穀米を使うアレンジもおすすめです。
冷凍保存も可能なので、多めに作っておくと便利です。
どら焼き
自家製のどら焼きを作る際にも、甘さ控えめのあんこは最適です。ホットケーキミックスを使って簡単に生地を作り、あんこを挟むだけで完成します。
抹茶やクリームチーズと組み合わせると、さらにオリジナル感のあるどら焼きになります。
元料理人のコツでおいしさアップ!圧力鍋であんこをさらに極める方法
より美味しいあんこを作りたい方のために、元料理人ならではのコツをお教えします。これらを実践することで、手作りあんこのレベルが一段と上がります。
小豆の種類にこだわる
小豆にもさまざまな品種があります。北海道産の大納言小豆は、粒が大きく風味が豊かでおすすめです。お気に入りの小豆を見つける楽しさもあります。
新鮮な小豆を使うことで、より一層美味しいあんこが作れます。
砂糖の種類を変えて風味を楽しむ
砂糖をきび砂糖やてんさい糖、黒糖に変えるだけで、風味がガラリと変わります。作るたびに異なる味を楽しむのも、手作りならではの楽しみです。
また、ハチミツやメープルシロップを使ったアレンジもおすすめです。
冷凍保存でいつでも楽しめるようにする
作ったあんこは冷凍保存が可能です。小分けにして冷凍しておけば、必要なときに解凍してすぐに使えます。
冷凍する際は、空気をしっかり抜いて密封することで、風味を保つことができます。
まとめ
圧力鍋を使った甘さ控えめのあんこは、時短できて自分好みの甘さや風味に調整できるのが魅力です。さらに、保存料を使わず健康的なあんこを手作りできる点も大きなメリットです。
今回ご紹介したレシピやコツを参考に、ぜひ自宅で手作りのあんこに挑戦してみてください。甘さ控えめだからこそ、さまざまなアレンジにも使いやすく、和菓子だけでなく洋菓子との相性も抜群です。
自分だけのオリジナルあんこを作って、日々の食卓やおやつタイムをより豊かにしてみてはいかがでしょうか。
コメント