「心療内科に行くほどではない気がする」
仕事には一応行けている。ご飯も食べられるし、友達と話せば笑える。
でも最近、ちょっとおかしい。
朝、仕事に行くまでがしんどい。
布団に入っても仕事のことを考えてしまう。
簡単な仕事なのに、なぜか手をつけられない。
こういう状態って、自分でも判断に困ります。
明らかに限界なら「休んだほうがいい」と思えるのに、そこまでではない。
だから「みんなこれくらい我慢してる」「自分が弱いだけかも」「心療内科はもっと大変な人が行くところ」と考えて、そのままにしてしまう。
でも、心のつらさは「まだ会社に行けるか」だけでは測れません。受診する・しないを決める前に、まず今の自分にどんな変化が起きているのか、一度整理してみませんか。

あかりさん
30代女性・働く人の悩み整理アドバイザー
仕事や人間関係でしんどくなった経験から、ADHD・適応障害・不眠など「働く人が抱えやすい困りごと」を調べて発信している。
「まだ普通に生活できる」が判断を難しくする
メンタルの不調というと、「会社に行けなくなる」「一日中寝込んでしまう」といった状態を想像するかもしれません。
でも、その手前はもっと曖昧です。
- 朝だけ、ものすごくつらい
- 仕事中は普通に振る舞えるのに、帰宅すると何もできない
- 休日になると少し元気になる
- 眠れてはいるけれど、夜中に何度も目が覚める
- 簡単な仕事なのに、なかなか取りかかれない
- 忘れ物やミスが以前より増えた
一つひとつを見ると、「よくあること」にも見えます。
だからこそ、自分では気づきにくいんですよね。
そんなときは「まだできていること」ではなく、以前の自分と比べて、何が変わったかを見てみると分かりやすくなります。
朝、仕事に行くまでが異常にしんどくなった
仕事が好きな人でも、「今日は行きたくないな」と思う日はあります。
なので、仕事に行きたくないだけで何かの病気だと決まるわけではありません。
ただ、以前とは明らかに違って、
- 目覚ましが鳴ると強い憂うつ感がある
- 会社のことを考えると動悸や吐き気がする
- 玄関まで行ったのに動けなくなる
- 遅刻や欠勤が増えてきた
こうした状態が続いているなら、「仕事が嫌なだけ」で片付けず、一度立ち止まってもいいと思います。
特に判断に迷いやすいのが、休日になると比較的元気なケースです。
「休みの日に出かけられるなら大丈夫じゃない?」
自分でもそう思ってしまいます。
ただ、仕事など特定の環境から離れたときに、つらさが軽く感じられることもあります。
休日に元気だからといって、平日のつらさまで「大したことない」と決めなくて大丈夫です。
▶仕事には行けないのに休日は元気…適応障害?「甘えかも」と悩む前に知ってほしいこと
疲れているのに、夜になると眠れない
体は疲れている。
明日も仕事だから、早く寝たい。
なのに布団に入ると、頭だけが動き始める。
「あの仕事どうしよう」
「今日の言い方、まずかったかな」
「明日はあれをやらないと」
考え始めると止まらない。
時計を見て、「あと5時間しか寝られない」と焦り、さらに眠れなくなる。
一晩だけなら、誰にでもあることです。
ただ、眠れない状態が続いて翌日の集中力が落ち、仕事が進まなくなり、そのことがまた夜の不安につながることもあります。
「眠れないだけ」と考えず、日中の仕事や生活にまで影響が出ていないかも一緒に見てみてください。
「やれば終わる」のに、なぜか始められない
これも、本人にしか分かりにくいしんどさがあります。
10分で終わるメール。
まだ期限に余裕のある資料。
洗濯、お風呂、片付け。
「やればいい」と分かっている。
それでも、なぜか始められない。
スマホを見たり、別のことを始めたりして、気づけばかなり時間が経っている。
そして締切直前になると、今度はものすごい勢いで終わらせる。
これを何度も繰り返すと、「自分は怠けている」「どうして普通にできないんだろう」と自分を責めやすくなります。
集中しにくい、忘れ物が多い、優先順位をつけにくい、行動の切り替えが苦手といった困りごとは、ADHDの特性として見られることがあります。
一方で、睡眠不足や強いストレスなど、別の理由から似た状態になることもあります。
なので、SNSの「ADHDあるある」に当てはまっただけで、自分で診断する必要はありません。
それよりも考えたいのは、「何という病名か」より、それによってどれくらい困っているかです。
「みんなできている」が一番しんどいこともある
仕事をしていると、
- 時間どおりに来る
- メールを返す
- 締切を守る
- 片付ける
- 報告する
こういうことが「できて当たり前」とされます。
だから、できないと自分を責めやすい。
「なんでこんな簡単なことができないんだろう」
周りから注意されるだけでなく、自分でも毎日、自分に説教してしまう。
これが結構しんどい。
もちろん、仕事上のミスを改善することは必要です。
でも「自分はだらしない」で終わらせても、次に同じことが起きたとき、また自分を責めるだけになってしまいます。
何が苦手なのか。
どんなときに起きやすいのか。
寝不足だと増えるのか。
仕事だけなのか、家でも同じなのか。
こうして困りごとを少しずつ分けて考えると、自分を責める以外の対処法が見えてくることがあります。
心療内科に行く「資格」みたいなものはない
ここまで読んでも、
「でも、自分より大変な人はいっぱいいるし」
と思う人もいるかもしれません。
でも、つらさを人と比べ始めると終わりません。
会社に行けている人より、休職している人のほうが大変そう。
休職している人より、入院している人のほうが大変そう。
いくらでも比較できてしまいます。
でも、誰かがどれだけ大変かと、自分が今困っているかどうかは別の話です。
心療内科や精神科は、「限界になった人だけが行く場所」と考えなくてもいいと思います。
もちろん、少し落ち込んだから必ず受診しなければいけないわけでもありません。
- つらい状態がどのくらい続いているか
- 仕事に影響が出ていないか
- 睡眠や食事に変化がないか
- 休日まで回復に使うようになっていないか
- 以前できていたことができなくなっていないか
「病気かどうか」だけではなく、普段の生活にどれくらい影響が出ているかを見るのが一つの考え方です。
いきなり病院へ行くのが重く感じるなら
心療内科へ行ったことがないと、予約するだけでも結構ハードルがあります。
「何を話せばいいんだろう」
「こんなことで来たの?と思われないかな」
「病院へ行ったら、何か診断されるのかな」
いろいろ考えて、予約画面を閉じてしまう。
そういう人もいると思います。
最近は、心療内科・精神科にもオンライン診療という選択肢があります。
自宅などからスマホで相談できるので、仕事で通院時間を取りにくい人や、外出そのものが負担になっている人には利用しやすい方法です。
ただし、オンライン診療がすべての人に向いているわけではありません。
症状や状態によっては、対面での診察や検査が必要になる場合もあります。
「オンラインなら何でも解決する」と考えるのではなく、相談を始めるための選択肢のひとつとして考えるのがよいでしょう。
「もう仕事を休みたい」と思い始めているなら
「心療内科へ行こうかな」という段階ではなく、
「明日、会社を休みたい」
「しばらく仕事から離れたい」
と考えるところまで来ている人もいるかもしれません。
その場合は、無理にこの記事だけで答えを出そうとせず、「休む」という選択肢についても知っておいてください。
▶「仕事に行けない」が続くときに読む記事|理由がわからない・体が動かないときの対処法
休職を考えていて、「診断書って必要なの?」「オンライン診療でもいいの?」というところまで進んでいる人はこちらも参考になります。
▶オンライン診療の診断書だけで休職できる?会社提出から休職開始まで
今すぐ休職すると決める必要はありません。
ただ、「明日も耐える」以外にどんな選択肢があるのかを知っておくだけでも、少し考えやすくなります。
オンラインでまず相談してみる方法もある
「対面の心療内科へ行くのはまだ少し重い。でも、このままにしておくのも不安」
そんな人は、自宅から相談できるオンライン心療内科を候補に入れてみてもいいと思います。
たとえばエニキュア(Anycure)は、オンラインで心療内科・精神科の診察を受けられるサービスです。
仕事が終わってから相談したい人や、外へ出ること自体が負担になっている人にとっては、対面以外の選択肢があるだけでも少し動きやすくなるかもしれません。
ただ、オンライン診療にも向き・不向きがありますし、料金や診療方法もサービスごとに違います。
「エニキュアって実際どうなの?」という段階なら、先に口コミや料金を確認してから判断してください。
「まだ大丈夫」だけで決めなくてもいい
仕事には行ける。
笑うこともできる。
休日には出かけられる。
だから大丈夫。
必ずしも、そうとは限りません。
逆に、この記事にいくつか当てはまったからといって、何かの病気だと決まるわけでもありません。
その間にいるから、迷うんですよね。
そんなときは「病気なのか?」だけを考えるより、
「最近の自分は、以前より生活しづらくなっていないか?」
と考えてみてください。
朝がつらくなった。
眠れなくなった。
仕事のミスが増えた。
何をするにも時間がかかる。
好きだったことまで面倒になった。
そうした変化が続いているなら、「まだ頑張れるから」で終わらせず、一度誰かに相談するのも一つの方法です。
相談した結果、「今は様子を見て大丈夫」となるかもしれません。
それでもいいと思います。
限界かどうかを証明してから、相談する必要はありません。
※強い希死念慮がある、自分や他人を傷つける恐れがある、意識や行動に大きな異常があるなど緊急性が高い場合は、オンライン診療だけで対応しようとせず、救急医療機関など適切な窓口へ相談してください。


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