リカバリーウェアの一般医療機器とは？効果の範囲と選び方をわかりやすく解説

「リカバリーウェアで“医療機器”って本当？」
「効果はあるの？何が違うの？」
──そんな疑問を感じたことはありませんか？

結論から言うと、一部のリカバリーウェアは“家庭用一般医療機器”として届け出されており、温熱効果などを通じて血行を促すことを目的に設計されています。

ただし、すべての製品が医療機器ではなく、その効果も「治療」ではなく「状態の改善をサポートする」ことに限定されます。

この記事では、リカバリーウェアと医療機器の違い、届け出されている代表的な製品（リライブシャツαなど）、効果が期待できる範囲、選び方のポイントを、専門家視点でわかりやすく解説します。

リカバリーウェアは医療機器なの？定義と分類を解説

すべてのリカバリーウェアが医療機器に該当するわけではありませんが、一部の製品は「家庭用一般医療機器（クラスⅠ）」として厚生労働省に届け出されています。

家庭用一般医療機器とは（クラスⅠの概要）

医療機器は、厚生労働省の分類により「クラスⅠ〜Ⅳ」に区分されており、「クラスⅠ（一般医療機器）」は安全性が高く、販売前に届出を行えば使用可能な医療機器とされています。

クラスⅠに該当する製品の例には、以下のようなものがあります。

これらは治療目的ではなく、血行の改善や筋肉のこわばりを緩和する補助的な用途で使われるのが特徴です。

医療機器に該当するための条件

医療機器と表示するためには、以下の条件を満たす必要があります。

たとえば、リライブシャツα（届出番号：306AHBZX00004000）は、「家庭用遠赤外線血行促進衣」として届け出されており、「血行促進・筋肉のこわばり緩和」を目的とした設計になっています。

 参考出典
消費者庁リコール情報｜リライブシャツα 自主回収に関する通知
厚生労働省｜医療機器のクラス分類について
PMDA医療機器情報提供｜医療機器届出番号検索

医療機器として認められている“効果”とは？

リカバリーウェアが「医療機器」として届け出されている場合、その効果は“温熱効果による血行促進や筋肉のこわばりの緩和”などに限定されています。

「効果がある」とされるのは“治療”ではなく“補助的機能”

薬機法において医療機器が表示できる効能・効果は、科学的根拠に基づいた範囲で、明確に限定されています。たとえば、次のような表現が使われます。

これらは「治療」ではなく、健康維持や疲労感軽減などの“状態の改善・補助”として認められているものであり、疾患の完治や医療行為と同等の効果を保証するものではありません。

薬機法における“効果”とは？

薬機法では、「効果・効能をうたう」ためには、該当する製品が法律で定められた承認または届出を経ている必要があります。医薬品・医療機器・医薬部外品・化粧品ごとに使える表現が異なり、医療機器では「機能の補助としての効果」に限って表示可能です。

そのため、「着るだけで疲れが取れる」「腰痛が治る」といった表現は薬機法違反に該当する可能性があり、医療機器であっても安易に使うことはできません。

参考出典：薬機法ドットコム

リカバリーウェアに期待できる実際の効果については、以下の記事で詳しく解説しています。
 リカバリーウェアの効果と口コミ｜実際に感じられるのはどんな変化？

医療機器として届け出されているリカバリーウェアの代表例

以下は、実際に家庭用一般医療機器として届け出されているリカバリーウェアの一部です。いずれも厚生労働省に届出済みの製品で、薬機法に基づき「温熱効果による血行促進」などが認められた機能性ウェアです。

BAKUNE（バクネ）シリーズ／TENTIAL

BAKUNEシリーズは、TENTIALが開発した「寝ている間にリカバリー」を叶えるウェア。独自の遠赤外線繊維SELFLAME®を採用し、睡眠中の体のめぐりをじんわりサポート。リラックスしやすい肌ざわりと、科学的アプローチが融合した“着るコンディショニングウェア”です。

• 届出番号：13B2X10608000004など（商品により異なる）
• 製品分類：家庭用遠赤外線温熱器（一般医療機器・クラスⅠ）
• 特徴：独自の特殊繊維SELFLAME®により、体温による遠赤外線を反射・活用
• 注意点：医療機器ではないため、「効果・効能」の表現には制限があります

睡眠の質にこだわるなら、“ただのパジャマ”ではもったいない。
BAKUNEは、リラックスタイムに科学的なアプローチを取り入れたい方にぴったりの1着です。

リライブシャツα・リライブスパッツα

「肩や腰のハリが抜けない」「疲れがとれにくい」「動きがぎこちない」
そんな悩みに着目して開発されたのが、《リライブシャツα・リライブスパッツα》です。

• 届出番号：306AHBZX00004000
• 製品分類：家庭用遠赤外線温熱器（一般医療機器・クラスⅠ）
• 効果・効能：血行促進、筋肉のコリをほぐす、筋肉疲労の回復
• 特徴：特許技術「リライブ加工」により、体幹バランスや柔軟性の変化を体感できる設計

リライブシリーズは、疲れにアプローチする“実感できる設計”が魅力のウェアです。

VENEX（ベネクス）リカバリーウェア

もっと深く“自律神経にアプローチ”して休みたい方には、VENEX（ベネクス）のリカバリーウェアがおすすめです。

VENEXは、東海大学と共同開発された特殊繊維《PHT（Platinum Harmonized Technology）》を採用。
これは、プラチナ含有のセラミック素材を繊維に練り込んだもので、副交感神経を優位にし、休養状態を促すことが第三者機関の研究でも示唆されています。

• 届出番号：14B3X10040000002
• 製品分類：家庭用遠赤外線温熱器（一般医療機器・クラスⅠ）
• 効果・効能：血行促進、筋肉のコリをほぐす、筋肉疲労の回復
• 特徴：特殊繊維「PHT（Platinum Harmonized Technology）」を使用し、副交感神経の活性をサポート

VENEXは、“働く神経を休める”という新しいアプローチから、パフォーマンスの土台づくりを支えるウェアとして支持されています。

医療機器でない製品との違いは？

リカバリーウェアには、「医療機器として届け出されている製品」と「一般のコンディショニングウェア」があります。
この2つは見た目が似ていても、法的な位置づけや表示できる効果効能に大きな違いがあります。

以下の表で、代表的な違いを比較してみましょう。

比較項目	医療機器として届け出あり	医療機器ではない製品
薬機法上の分類	家庭用一般医療機器（クラスⅠ）	雑品・一般衣料品
表示できる効果	血行促進、筋肉のハリ軽減など	回復感・快適性・着心地など
広告・PRの制限	効果を謳ってOK （届出番号表示要）	「効果あり」と断言不可 （景表法対象）
届出番号の有無	あり （例：306AHBZX00004000）	なし
代表製品	リライブシャツα、リライブスパッツα	BAKUNE、VENEX、SIXPAD、 ワークマン製品など

「効果があるかどうか」で選びたい方は、医療機器届出の有無がひとつの判断基準になります。
特に“血行促進”や“筋肉のこわばり改善”など、身体状態の変化を期待している場合は、届出済製品のほうが確かな根拠を持って発信されています。

一方で、医療機器でなくても、「着心地」「ストレッチ性」「デザイン性」など、日常使いでの快適さを重視するなら、一般衣料でも十分満足できる製品も多く存在します。

リカバリーウェアの選び方と注意点

医療機器
＝「何にでも効く」ではないことに注意

リカバリーウェアは医療機器として届け出されている製品もありますが、あくまで“特定の目的に対して機能が認められている”というだけで、万能ではありません。

たとえば、下記のような点は、誤解されやすいポイントです。

最適な1着を選ぶためのチェックポイント

選び方のコツは、「自分が何を目的に着るのか」を明確にすること。目的に合っていないと、たとえ高機能な製品でも“効果を感じにくい”という結果になりかねません。

着用目的	向いている製品例	特徴
睡眠中に疲労感を軽減したい	BAKUNE、VENEX	副交感神経を優位にする設計、保温性
運動後に筋肉のケアをしたい	リライブシャツα	血行促進・可動域サポート設計
日中の肩こりや冷えが気になる	SIXPADアウター、コラントッテ	軽い圧着・磁気効果など

より詳しい比較が知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

 本当に効く？専門家が選ぶリカバリーウェアおすすめ12選｜肩こり・血行・睡眠悩みに

まとめ｜“医療機器”に惑わされず、自分に合った1着を

リカバリーウェアを選ぶとき、医療機器であるかどうかはひとつの指標ですが、それだけにとらわれる必要はありません。大切なのは「何のために着るのか」という目的と、実際に継続できる着心地・ライフスタイルへのなじみやすさです。

医療機器として届出された製品は一定の機能性が認められていますが、治療を目的としたものではなく、あくまで日々のケアを支える“補助的なアイテム”です。

肩こりを和らげたい、睡眠中の疲れをとりたい、運動後のケアを習慣にしたい——
あなたの目的に合った1着を見つけ、無理なく続けられる方法でリカバリーウェアを活用してみてください。