製菓用米粉と普通の米粉。名前は似ていても、実は仕上がりに大きな違いが出ることをご存じでしょうか。
この記事では、お菓子作りに失敗しないために知っておきたい「製菓用米粉」と「普通の米粉」の違いを詳しく解説します。適切な米粉を選ぶことで、ふわふわ・サクサク・しっとりなど、理想の食感がグッと近づきます。
普通の米粉とは、主に料理用として販売されている米の粉で、天ぷら粉やとろみ付け、団子やお好み焼きなどに使われることが多いタイプです。粒子が粗めで、製菓やパン作りには不向きなことがあります。
そもそも「米粉」とは?
米粉とは、その名の通りお米を粉にしたもので、小麦粉の代替品として注目されている食品素材です。粒子の大きさや製法によって性質が変わるため、料理・製菓・製パンなど用途に合わせて選ぶことが大切です。
- 小麦粉の代替として注目
米粉は小麦アレルギーのある方にも使えるグルテンフリー食材として、パンやケーキ作りにも利用が広がっています。近年では米粉100%のパンやスイーツも増え、代替素材としての実力が評価されています。 - グルテンフリーで注目される理由
米粉にはグルテンが含まれておらず、腸内環境への負担が少ないとされることから、健康志向の高まりとともに注目度がアップ。美容や体調管理を意識する人にも支持されています。 - 用途に応じて使い分けが重要
「製菓用」「パン用」「料理用(普通の米粉)」では、粒子の細かさや水分の吸収性が異なります。目的に合わない米粉を選ぶと、仕上がりが硬くなったり膨らまなかったりするため、使い分けが重要です。
製菓用米粉と普通の米粉の違い
お菓子作りにはどちらを選べばいいのか迷ったら、まずは用途で見極めましょう。
項目 | 製菓用米粉 | 普通の米粉 |
---|---|---|
向いている用途 | ケーキ、クッキー、マフィン、蒸しパンなど | 天ぷら、揚げ物、団子、お好み焼き、料理のとろみづけ |
粒子の細かさ | ◎ 非常に細かく、ダマになりにくい | △ やや粗め、生地がザラつくことも |
粘り (仕上がり) | △ 粘りが少なく軽い食感 | ◎ 粘りが強くモチモチした仕上がりに |
吸水性 | ◎ 吸水性が高く、なめらかに混ざる | △ 吸いすぎて固くなりやすいことも |
焼き菓子適性 | ◎ ふんわり・きれいに焼き上がる | × 重くなりがち、膨らみにくい |
粒子の細かさ
【製菓用】
きめ細かくサラサラ → ふんわりな焼き上がりに最適
【普通の米粉】
やや粗め → 焼き菓子には不向きなことも
製菓用米粉は非常にきめ細かく、サラサラした質感でダマになりにくいのが特長。生地になめらかに混ざり、ふんわり軽い焼き上がりに仕上がります。一方、普通の米粉は粒子がやや粗く、焼き菓子に使うと食感が重くなったり、ざらつきを感じることがあります。
原料の違い
【製菓用】
うるち米(粘りが少なく扱いやすい)
【普通の米粉】
もち米を含むことも → モチモチ・重たくなる
製菓用米粉は粘り気の少ない「うるち米」を使用しており、焼き菓子の軽やかさを引き出します。対して普通の米粉は、もち米がブレンドされていることもあり、モチモチした重たい食感になりがち。ケーキやクッキーには適していません。
吸水性・仕上がりの違い
【製菓用】
水となじみやすく、生地がなめらかに広がる
【普通の米粉】
吸水しすぎて、生地が重く固くなりやすい
製菓用米粉は吸水性が高く、生地がなめらかにまとまりやすいのが魅力。焼いたときにも均一に広がり、ふっくらした仕上がりに。一方、普通の米粉は水を吸いすぎる傾向があり、生地が固く重たくなり、思うように膨らまないことがあります。
製菓用・パン用・普通の米粉の違い
この記事では「製菓用」と「パン用」の米粉を比較しています。ただ、その他に「普通の米粉」もありますよね。以下の表では、それぞれの特徴や向いている用途をわかりやすく解説します。
種類 | 主な用途 | 特徴 | 粒子の細かさ | 使用する米の種類 |
---|---|---|---|---|
製菓用米粉 | ケーキ・クッキー・蒸しパン | ダマになりにくく、ふんわり仕上がる | 非常に細かい(20μm前後) | うるち米(低アミロース) |
パン用米粉 | 米粉パン・食パン | グルテンの代替に加工でん粉や増粘剤を含むことも | やや粗め(30〜60μm) | うるち米(高アミロース) |
普通の米粉 | 天ぷら粉・とろみづけ・お好み焼きなど | 加熱時のもちもち感が強い/粘りが出やすい | 中程度〜粗め(製粉方法による) | うるち米 or もち米混合 |
パン用米粉は、小麦粉のグルテンに代わる構造を作るよう工夫されており、パンの膨らみやもっちり感が出るよう配合されていることが多いです(ミックス粉)。
普通の米粉は料理用で、お菓子やパンには不向きなことがあります(団子のように硬くなる、膨らまないなど)。
間違った米粉選びで起きる失敗例
米粉ならどれでも同じだと思っていませんか?実は、製菓用以外の米粉を使うと、仕上がりに大きな差が出ることがあります。以下のような失敗は、米粉の種類を間違えたことが原因かもしれません。
- パウンドケーキが硬くなる
- クッキーがボロボロ崩れる
- 蒸しパンが膨らまない
このような失敗が起きる可能性があるため、製菓には「製菓用米粉」を選ぶのが鉄則です。
製菓用の米粉を探したい方へ
小麦粉の代わりに使えるグルテンフリー素材「米粉」。中でも製菓用米粉は、ケーキやクッキーなどのお菓子作り専用に粒子の細かさや焼き上がりの軽さが調整された優れものです。
下記の記事では、実際に製菓に使える品質の高い米粉を厳選してご紹介。ふんわりスポンジケーキや、サクッと軽いクッキーが作りやすく、リピートされている人気商品を集めました。

まとめ|お菓子作りには製菓用米粉を選ぼう
- 粒子の細かさと吸水性がポイント
- パッケージに「製菓用」の記載を確認
- 用途に合った米粉を選ぶことで、失敗知らずのお菓子作りに
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