「浄水器 世界一売れてるって結局どれ?」
──家庭やオフィスで清潔な水を求める人が増える中、浄水器選びで迷う方も多いはずです。
この記事では、世界市場で“最も売れている浄水器”は何かを、販売台数・技術・ブランドの3つの観点から解説。さらに、ブリタとアムウェイeSpringという2大巨頭の比較も、実データをもとにわかりやすくまとめました。

佐伯 彩乃
元ウォーターサーバー販売員/フリーランスの暮らしコーディネーター/主婦向けの家電アドバイザー
元ウォーターサーバー販売員で、現在は主婦向けに家電選びのコツを発信する暮らしアドバイザー。実体験をもとに、使いやすさや電気代、安全性までわかりやすく解説。押し売りしない丁寧な情報発信が好評。
そもそも「世界一売れてる浄水器」とは?
「世界一売れてる浄水器」と聞いても、その定義は意外と曖昧です。なぜなら、“売れている”の基準が複数あるからです。
「売れている」の3つの基準
基準 | 内容 | 該当例 |
---|---|---|
販売台数 | 何台売れたか(ユニット数) | eSpring(累計1,000万台以上) |
売上高(収益) | どれだけの金額が売れたか | Brita(2023年売上約1,000億円) |
流通国数・展開力 | 世界何カ国に普及しているか | Brita(約69カ国)・eSpring(約48カ国) |
つまり「世界一」の基準は、何を“売れた”とみなすかによって変わってくるのです。
よくある誤解:「1位」は一つだけじゃない?
たとえば、下記のようなケースがあります。
- アムウェイ eSpring → 「1製品ブランドでの累計販売台数1位」
- ブリタ → 「ポット型ジャンルでの売上・流通国数1位」
つまり、「世界一売れてる浄水器」と言っても、その意味は“何をもって売れているとするか”によって変わるのです。だからこそ、比較・検討の際には“指標の種類”を意識することが重要です。
「家庭用浄水器の累計販売台数で1位」とされるのがアムウェイのeSpring

アムウェイの「eSpring(イースプリング)」は、2021年時点で累計1,000万台以上の販売実績を持ち、世界48カ国以上で展開されています。
Verify Markets(米国の市場調査機関)の報告によれば、2006年以降、16年連続で“世界売上No.1家庭用浄水器ブランド”とされています。
また、アムウェイ自身も「世界で最も売れている家庭用浄水器」と公式発表しています。
出典:Amway Global公式サイト/Verify Markets報告(2021)
参照:https://www.amwayglobal.com/newsroom/why-you-should-consider-a-water-purification-system-based-on-20-years-of-making-the-worlds-best-selling-one/
「浄水ポット市場の収益と流通国数で1位」なのがブリタ(Brita)
一方で、ブリタは世界69カ国以上で展開されており、特に「浄水ポット・フィルター」市場では圧倒的な収益規模を誇ります。
2023年の年間売上は7.27億ユーロ(約1,000億円)。製品を通じた年間浄水量は200億リットル超とも言われ、浄水ポットというジャンルでは“世界最大級”のブランドです。
出典:Brita公式グループデータ(Facts & Figures 2023)
参照:https://www.brita.net/international-en/about-us/company/facts-and-figures
世界的に見て売れている浄水器ブランドTOP5
ここで紹介する5社は、売上規模・展開国・技術などの面で浄水器市場を牽引しています。
- 総合的な水処理企業ならA. O. Smith
- 直販力や性能重視ならAmway(eSpring)
- ポット型で圧倒的支持ならBrita
- アジア中心でデザイン・サービス強ならCoway
- インド市場で圧倒的存在感ならEureka Forbes
A. O. Smith
- 浄水器だけでなく給湯器や水処理全般の事業を展開
- 2024年の全体売上は約69億ドル(約9000億円規模)
- 浄水器はAquasanaやPureitなど多ブランドで市場展開
A. O. Smithは、主にウォーターヒーターや商用・家庭用浄水器を展開する米国のグローバル企業。2024年には約69億ドルの売上を記録し、AquasanaやPureitといった浄水器ブランドの買収・展開により製品ポートフォリオを強化。RO、UV、活性炭技術など多様なろ過方式を扱い、総合水処理企業として市場をリードしています。
Amway(eSpring)
- 2022年全体売上は約81億ドル。その中でeSpring浄水器も重要製品フォーチュンビジネスインサイト
- 独自のMLMネットワークを通じた強力な販売チャネル
- NSF/ANSIの複数認証取得で高パフォーマンス型浄水器
Amwayは世界最大のMLM企業のひとつで、2022年には約81億ドルの総売上を記録しています。家庭用浄水器eSpringは、活性炭+UV除菌(最新はUV‑C LED)搭載で140項目以上を除去可能。NSF/ANSI認証を複数取得し、健康や安全性を重視するユーザーに支持されています。直販モデルで累計1000万台以上の販売実績も強みです。
Brita
- 浄水ポット・蛇口型浄水器に特化し、2023年売上は約6.64億ユーロ(約900億円)
- 69カ国以上で製品展開しグローバル市場で卓越
- 簡易構造の活性炭+樹脂式、手軽で幅広いユーザーに人気
Britaは家庭用ポット・蛇口直結型浄水器に特化したドイツ企業で、2023年の売上は約6.64億ユーロ。世界69カ国以上で流通しており、手軽で経済的な活性炭+イオン交換方式により、味や塩素・鉛などの除去に定評があります。交換式カートリッジの手軽さとコストパフォーマンスの良さで、世界中の家庭で選ばれる定番ブランドです。
Coway
- 2021年売上は約3.66兆ウォン(約29億ドル)
- 浄水器・空気清浄機ともに強く、アジアを中心にグローバル展開
- デザイン受賞多数&メンテナンスサービス体制が充実
韓国のCowayは、家庭用浄水器や空気清浄機を中心に展開する家電メーカーで、2021年の売上は約3.66兆ウォン。韓国内トップの浄水器ブランドとして知られ、東南アジア・北米・日本などにも展開しています。高いデザイン性と、自社メンテナンススタッフによる安心サポート体制が評価され、優れた製品とサービスで顧客を獲得しています。
Eureka Forbes(Aquaguard/Pureit)
- インド市場で圧倒的シェア、家電・浄水器で国内首位級
- 活性炭+RO/UV技術など技術ラインナップが豊富
- CSR活動や環境への配慮(公共飲料水提供など)にも注力
インドのEureka Forbesは、AquaguardおよびPureitブランドで家庭用浄水器市場を席巻。1982年創業以来、RO・UV・活性炭方式など多様な技術を提供し、都市部を中心に高い支持を得ています。浄水器だけでなく掃除機や空気清浄機も手がけ、CSR活動として公共にクリーンウォーター提供を行うなど、社会貢献への取り組みも積極的です。
日本の浄水器ブランド 売上・人気トップ5
ココで紹介する5ブランドは、日本国内で売上・利用者評価ともに優れ、技術・品質とも高い信頼性を持っています。
- クリンスイ:多機能かつ高性能なJIS対応モデル
- ブリタ:手軽でスタイリッシュな浄水ポット
- トレビーノ:日常使いに適したシンプル性能
- ゼンケン:卓上から設備型まで高い除去力
- パナソニック:家電安心感&機能性重視
クリンスイ(Cleansui/三菱ケミカル)

- 蛇口直結・ポット・ビルトインなど多彩なラインナップ
- PFAS(PFOS/PFOA)など有機フッ素化合物を除去する
- JIS対応モデルが人気ユーザー評価が極めて高く、平均総合評価5.0 ★
三菱ケミカルのクリンスイは、蛇口直結型から据置・ビルトイン型まで幅広く展開。中空糸膜+活性炭フィルターでPFAS(有機フッ素化合物)などの除去に強く、安全性とデザイン性の両立を重視した製品設計が特徴。平均評価5.0点とユーザー満足度も高く、日本市場で不動の人気を誇るブランドです。
ブリタ(Brita)

- ポット型・蛇口直結型での手軽な浄水が好評
- PFAS除去テスト済のカートリッジが登場し注目
- プレゼントランキングでも常に上位、人気根強し
ドイツ生まれのBrita(ブリタ)はポット型浄水器の定番ブランド。手の届きやすい価格で日常利用に適した活性炭+イオン交換技術を提供。日本でもYahoo!ショッピングなどで高い人気を誇り、レビュー評価も高水準。PFAS除去テスト済カートリッジなど、実用性と信頼性をアップグレードした新モデルも注目されています。
東レ(Torey/Toreyvino)

- 特徴3つ蛇口直結型「トレビーノ」シリーズの信頼性
- 高除去仕様やスリム設計など多様なモデル展開
- プレゼントランキングでも3位と高評価
日本の浄水器市場で長く親しまれている東レ「トレビーノ」は、蛇口直結型を中心に幅広いユーザーに支持されています。高除去性能やスリム設計のモデルから、ポット型まで多彩なラインアップを展開。使いやすさや交換カートリッジの手軽さが評価され、贈り物ランキングでも3位にランクインするなど、実用性と信頼性を兼ね備えたブランドです。
ゼンケン(Zanken)

- PFAS・鉛など17物質を除去する高性能モデル
- 多数卓上/据え置き/ビルトイン対応など製品幅広く展開
- プレゼント人気ランキングで4位評価
ゼンケンは「アクアセンチュリー」シリーズなど、17物質除去対応の高性能浄水器を強みとするブランド。卓上・据置・ビルトイン型を展開し、用途や設置場所に応じた柔軟な選択が可能です。日本のプレゼントランキングでは4位にランクインし、クリアな除去性能と安心感のあるデザインで評価されています。
パナソニック(Panasonic)

- 蛇口取付・据置型でのラインナップが豊富
- PFAS対応モデルやアルカリイオン整水器を展開
- プレゼントランキングでも高順位
Panasonicは日本の生活家電大手として、蛇口直付型や据置型の浄水器を展開。PFOS/PFOAなどの有機フッ素化合物除去モデルやアルカリイオン整水器もラインナップし、健康志向のユーザーに対応しています。プレゼントランキングでは5位と高い評価を受け、品質と機能両面で信頼性のあるブランドです。
浄水性能はどうなのか?ブリタ vs アムウェイ eSpringを比較
「売れている」だけでなく、「ちゃんとキレイな水をつくれるのか?」
──これこそが浄水器選びで最も重要なポイントです。ここでは、世界的に有名なeSpringとブリタの浄水性能を、公的基準に基づいて比較します。
項目 | eSpring(アムウェイ) | Brita(ブリタ) |
---|---|---|
浄水方式 | 活性炭+UV除菌(UV-C LED) | 活性炭+イオン交換樹脂 |
除去対象物質 | 約140種類 | 約8~10種類(主に味や金属イオン) |
微生物除去 | 対応(ウイルス・細菌) | 非対応 |
NSF認証規格 | NSF 42, 53, 55, 401 | NSF 42 のみ |
フィルター寿命 | 約5,000L/1年 | 約150L/1ヶ月(モデルによる) |
想定使用人数 | 2~5人の家庭向き | 1人暮らし~少人数向き |
eSpringの活性炭ブロックは表面積が非常に広く(1gでサッカー場1面分)、粒子の細かい物質まで物理的にキャッチできる上、UV照射により細菌やウイルスも不活化できます。
第三者機関による国際的な認証を取得
アムウェイの「eSpring」は、以下の世界基準の水質認証(NSF/ANSI)を複数取得しており、製品の性能・安全性が科学的に検証されたものです。
認証規格 | 対象内容 | eSpringの取得状況 |
---|---|---|
NSF 42 | 塩素・味・臭気除去 | 取得済み |
NSF 53 | 鉛・農薬・トリハロメタンなど健康リスクのある物質の除去 | 取得済み |
NSF 55 | 紫外線による細菌・ウイルスの不活化(Class A) | 取得済み |
NSF 401 | 医薬品・化学物質(カフェイン・ホルモン等)の除去 | 取得済み |
🔹参考:NSF International(米国国家衛生財団)
🔹eSpring製品ページ:https://www.amwayglobal.com/espring/
性能を重視するならeSpring、手軽さならブリタ
- 安心・安全・高機能を求めるなら → eSpring
→ ウイルスや農薬、有害化学物質まで対応。NSF55で除菌性能も保証。 - 軽量・低価格で最低限の浄水をしたいなら → ブリタ
→ 味や臭いの改善に十分。冷蔵庫で使える手軽さが人気。
こんな人にはこの浄水器がおすすめ!
あなたの暮らし方や重視ポイントによって、選ぶべき浄水器は変わります。以下のタイプ別に、おすすめブランドをまとめました。
- 一人暮らし・初めての導入
→ 「ブリタ」や「トレビーノ」が扱いやすくおすすめ - 小さなお子様がいる家庭
→ 「クリンスイ」や「ゼンケン」などJIS規格対応モデルで安全性を重視 - 料理やコーヒーに使いたい
→ 素材の風味を活かす「クリンスイ」や「ブリタ」が人気
こんな人におすすめ | 選ぶべき浄水器 | 特徴・理由 |
---|---|---|
とにかく安全性を最優先したい | クリンスイ(Cleansui) | PFAS・鉛・トリハロメタンなどJIS対応で高除去性能。中空糸膜+活性炭で安心。 |
コスパ重視&簡単に使いたい | ブリタ(Brita) | ポット型で導入も手軽。塩素・金属イオン除去で飲みやすい水に。 |
蛇口直結タイプで省スペースに使いたい | トレビーノ(東レ) | コンパクト&取り付け簡単。高除去タイプもあり選びやすい。 |
家族全員分をまとめてカバーしたい | ゼンケン | 卓上・据置型で大容量。ビルトイン対応もあり、複数人世帯に◎ |
整水機能やアルカリ水を求めたい | パナソニック | 浄水+アルカリイオン水など高機能モデルが豊富。健康志向の方に。 |
まとめ|“売れている”からこそ分かる安心感と選び方
「世界一売れている」とされる浄水器には、それぞれに確かな理由と実績があります。
たとえば、アムウェイ eSpringは「家庭用浄水器ブランドとしての累計販売台数」で世界最多クラスの1,000万台を突破し、10項目以上の物質除去やNSF認証による技術力が評価されています。
一方で、ブリタ(Brita)は「浄水ポット市場の売上・流通国数」で圧倒的な存在感を持ち、手軽に美味しい水を手に入れたい人から支持されています。
そして日本では、クリンスイ・トレビーノ・ゼンケン・パナソニックなど、用途に合わせた優れた製品が多くのユーザーに選ばれています。
失敗しない浄水器選びのポイント
- 安全性・除去性能を重視するなら、公的認証(NSF・JIS)をチェック
- 使いやすさ・設置の簡単さを求めるならポット型や蛇口直結型
- 家族構成や使用頻度に合わせて、据置型・ビルトイン型も検討
浄水器は、「水」という毎日の基本に関わる大切なアイテムです。“売れている”という実績は、多くの人が選び、満足している証拠でもあります。あなたのライフスタイルに合った1台を、安心と信頼のあるブランドから見つけてみてください。
コメント