知る人ぞ知る「臓活」は、多くの健康効果が期待される東洋医学に基づいた健康アプローチ法です。
美肌や疲労回復、ストレス解消などに効果的で、密かに人気が高まっています。
この記事では、臓活の基本や効果、具体的な実践方法について分かりやすく紹介しています。
ゆいこ
女性/エシカルコンシェルジュ/ライター
10代後半から玄米食を実践。現在、体に優しい食について学び、資格取得に向け勉強中。「私らしくサスティナブルな暮らし」を楽しむ2児の母。エシカルコンシェルジュ取得。
臓活とは?
「臓活」とは東洋医学の考え方に基づいた健康法のひとつです。
五臓(肝、心、脾、肺、腎)の働きを整えることで、体全体のバランスを保つことを目的としています。
五臓は、それぞれが特定の役割を持ちながら互いに影響し合っているため、全体の調和が取れていなければ健康に問題が生じやすくなると言われています。
五臓それぞれの役割
五臓とは、肝、心、脾、肺、腎のことで、それぞれが以下のような異なる機能を持っています。
肝 | 血液を蓄える ストレスを管理する |
---|---|
心 | 血液を巡らせる 精神状態を保つ |
脾 | 消化吸収 体にエネルギーを供給 |
肺 | 呼吸を通じて気を体内に取り込む |
腎 | 血を作る 免疫や生殖など生命力の源 |
五臓のバランスが崩れると、体調不良や心身のストレスが蓄積しやすくなるため、五臓を整える「臓活」を日々おこなうことが大切です。
五臓がどうして重要なのか?
東洋医学では五臓は単なる内臓の役割を超えて、体全体のエネルギーの流れや心身の調和に深く関わる存在とされています。
五臓が正常に機能していると、気血の流れがスムーズになり、心身は健やかになります。
一方で、五臓のどれか一つでも機能が低下すると他の臓器や体の機能に影響し、体全体のバランスが崩れることになります。
体全体のバランスとどう関係する?
五臓はそれぞれが独立した機能を持ちながらも、相互に補完し合っています。
たとえば、「肝」がストレスを管理しきれない場合、「心」の不調やイライラ、さらに「脾」の消化不良にもつながることがあります。そして「腎」が弱ると生命力が減退し、疲労感が増すことがあります。
つまり、五臓のバランスの崩れは、体全体の調和が乱れとイコールであるということです。
臓活が心身に与える効果
美肌効果
東洋医学で「肝」は血液の貯蔵庫とされ、血液がしっかり巡ることで肌へも栄養が送られます。
栄養が十分に行き届いた肌は潤いとハリを保ちやすくなるのは、想像しやすいですよね。
また、肝の機能が向上は目元のくまやくすみの改善にもつながり、見た目の若々しさを保てると考えられています。
疲労回復への効果
腎は、生命力やエネルギーの源とされ、疲労感や老化と深く関わっています。
腎が弱ると体力の低下や疲労の蓄積しやすくなるので、腎を強化することが疲労回復のカギとなります。
特に、年齢とともに腎の働きが衰えることが多いため、臓活で回復力を高め、腎をサポートする習慣を身につけることが大切です。
ストレスと自律神経のバランス改善
肝はストレス管理に深く関わっている臓器です。
肝の働きの低下は気を滞らせ、ストレスやイライラが増すので、体の不調も引き起こす原因になります。
臓活で肝を整えることは、自律神経のバランスの改善に効果的です。
精神的な安定で、日々を前向きにすごすことができるでしょう。
免疫力を高める
五臓が整うと体質自体が改善され、病気や不調にかかりにくい体を作ることができます。
たとえば、冷え性や便秘、疲労感といった慢性的な問題も、五臓のバランスを整えることで解消されることが多いです。
とくに、臓活を継続することで、免疫力が向上し、風邪を引きにくくなるなどの効果も期待できます。
五臓を整える4つの方法
五臓の働きをサポートする食事をとる
食事は臓活の基本です。五臓それぞれに適した栄養素を摂取することで、五臓の働きをサポートすることができます。
特におすすめなのが、おかゆです。
体温より温かく、消化に優れた甘いもの(糖質)は、脾を強化すると言われています。おかゆは、条件をすべて満たした身近な食べ物なので、手軽に摂りやすいですね。
臓活のためのおかゆについては【臓活おかゆで内側からキレイになろう!効果やレシピをご紹介】をご覧ください。
また、肝に良いとされる緑黄色野菜や、腎をサポートする黒豆や海藻類なども合わせて取り入れることが大切です。
睡眠や呼吸で五臓を休ませる
毎日決まった時間に就寝することは、腎を守るうえでとても重要です。
遅くとも23時までには横になりましょう。
腎は休息を通じてエネルギーを蓄えるため、十分な睡眠を心がけることが疲労回復に役立ちます。
また、適度な運動や深呼吸を取り入れることで、肺を強化し、気の巡りを良くする効果が期待できます。
臓活にヨガが良いと言われる理由です。ヨガの深い呼吸は心身にリラックス効果を与え、ストレス解消にもつながります。
五臓に働きかけるツボを押す
東洋医学には、五臓に関連するツボが数多く存在します。ツボをマッサージや指圧で刺激することで、五臓の働きを活性化させることができます。
肝に働きかける「太衝」は足の親指と人差し指の骨が交わるところにあります。
肺に働きかける「列缺」は、手首の内側、付け根から指三本分のところにあります。
心に働きかける「神門」は、同じく手首の内側、小指側の付け根のところにあります。
脾に働きかける「三陰交」はくるぶしから指三本分上のところにある、くぼんだ場所です。
脾への働きだけでなく、女性特有の症状にも幅広く使われるツボです。
腎に働きかける「湧泉」は、足裏の中央にあるくぼんだところです。
生命エネルギーの源と言われる「湧泉」は、字のごとく、指圧をすることでエネルギーが湧き出てくるツボとされています。
五臓それぞれが働く季節や時間に労わる
東洋医学では、季節や時間によって体内のエネルギーの流れが変わるとされています。
不調が出やすいところ | 活発になる時期 | 活発になる時間 | ケアするところ | |
---|---|---|---|---|
肝 | 目 | 4・5月 | 1:00~3:00 | 脇 |
心 | 舌(味覚) | 7・8月 | 11:00~13:00 | 肘の内側 |
脾 | 口 | 梅雨・季節の変わり目 | 9:00~11:00 | 太ももの付け根 |
肺 | 鼻 | 10・11月 | 3:00~5:00 | 肘の外側 |
腎 | 耳 | 12~2月 | 17:00~19:00 | 膝の裏 |
例えば、春は肝、夏は心をケアするのに適した季節です。また、1日の中でも時間帯に応じて五臓の働きが異なるため、朝は脾、夜は腎をいたわる生活習慣を心がけると良いでしょう。
季節や時間に合わせた臓活法を取り入れることで、より効果的に五臓を整えることができます。
まとめ
現代の忙しい生活の中で、心身の健康を気に掛けることは難しいと思います。
ですが「臓活」のなかから、食事や生活習慣、マッサージなど、日常生活に取り入れやすい方法を使って、五臓をケアしてみて欲しいと思います。
無理なく続けることで、五臓のバランスが整い、心身共に健康的な毎日を過ごすことができるでしょう。
一つからでも良いので、ぜひ、今日から臓活を始めてみてくださいね。
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