静脈瘤やむくみ対策、術後ケアなどに使用される医療用弾性ストッキング。
医師にすすめられたものの、「どこで購入すればいいの?」「通販で買っても大丈夫?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では医療用弾性ストッキングが買える場所と、それぞれのメリット・注意点を分かりやすく解説します。

石川 敦哉
理学療法士、フットケアアドバイザー
足の疲労と血流障害のケア
医療系大学卒業後、都内のリハビリテーションセンターに勤務。理学療法士として、歩行障害・足の疲労・むくみケアなどの臨床に15年以上従事。現在はシニア層や立ち仕事に従事する方への足のセルフケア指導、靴やインソールの選び方セミナーなども行う。Webメディアでも「専門的すぎない、でも理論的」と好評のコラムを寄稿中。
医療用弾性ストッキングが購入できる場所一覧
「医療用」と名がつくだけに、「どこで購入すれば安心なの?」と迷う方も多いかと思います。
実際には病院・薬局・医療機器専門店・通販など、いくつかの選択肢がありますが、それぞれにメリットと注意点があります。
以下に、代表的な購入先を一覧表にまとめました。
購入場所 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|
医療機関 (病院・クリニック) | 処方に基づき、必要な圧力・サイズを選定。 保険適用される場合も。 | 病院によっては取り扱いがない。 再診や予約が必要なケースも。 |
医療機器取扱店 (店舗) | 専門スタッフがサイズ測定や装着指導を行ってくれる。 | 都市部に多く、地方には店舗が少ないことも。 |
調剤薬局 | 処方箋に対応した取り寄せ・販売を行う薬局もある。 | 事前の問い合わせが必要。即日購入できない場合あり。 |
通販サイト (正規取扱の医療機器通販) | 自宅で注文できる。 公式サイトでは適切な商品を選びやすい。 | 自己判断で購入する場合はサイズ・圧力選定に注意。 |
このように、医療用弾性ストッキングは用途や購入環境に応じて選べる反面、適切な製品選びが重要です。
とくに通販を利用する場合は、医療機器としての認証や圧力値の明記があるかをしっかり確認しましょう。
医療用弾性ストッキングの相場はいくら?価格帯と選び方の目安を解説
医師から「医療用弾性ストッキングの着用を」と言われても、実際いくらくらいするの?と不安になる方も多いのではないでしょうか。
以下では、医療用弾性ストッキングの価格帯をレベル別にわかりやすく整理します。
医療用弾性ストッキングの価格帯一覧
医療用弾性ストッキングには、圧力の強さ・丈の長さ・素材やブランドによって価格の幅があります。以下に、おおまかな相場を用途別にまとめました。
タイプ | 価格帯(1足あたり) | 特徴 |
---|---|---|
エコノミー・ベーシック | 約1,000〜2,000円 | 軽いむくみ対策・短時間用。圧力は弱め |
中圧・段階着圧タイプ | 約3,000〜4,500円 | 日常的な静脈瘤・むくみの予防に適した設計 |
ブランドモデル・ハイグレード | 約6,000〜15,000円 | 長寿命でフィット感や履き心地が高評価。パンティストッキングタイプなど |
強圧(36〜46mmHg前後) | 約7,000円以上 | リンパ浮腫・血栓後症候群など医療的用途に対応 |
中古・アウトレットの価格は?
オークションサイトや中古市場では、1,000円前後で出品されているケースもあります。
ただし衛生面や圧力劣化のリスクがあるため、医療用としてはあまり推奨されません。正規品・新品の購入が安心です。
価格に影響する主な要素
- 圧力の強さ(mmHg)
- 丈の長さ(ひざ下/太もも丈/パンティタイプ)
- 素材やデザイン性(通気性・つま先の開閉など)
- ブランド(テルモ、ジョブスト、メディなど)
医療用弾性ストッキングは、1,000円台〜1万円以上と幅広い価格帯がありますが、圧力や設計に応じた“機能価格”だと考えると納得できるはずです。
特に継続して使うことが大切なので、価格だけでなく、耐久性やフィット感、サポート内容まで見て選ぶようにしましょう。
通販で医療用弾性ストッキングを買うときの注意点
医療用弾性ストッキングは、通販サイトでも購入できますが、医療機器として正しく機能するものを選ぶには注意が必要です。
間違った商品を選んでしまうと、十分な効果が得られなかったり、逆に脚の負担になる可能性もあります。
以下のポイントをチェックし、信頼できるショップから購入しましょう。
- 医療機器認証番号が表示されているか確認する
- 圧力値(mmHg)が明記されているかチェックする
- 段階的圧力設計(足首が最も強く、上へ行くほど弱くなる構造)になっているか確認する
- サイズに迷ったら、医師や薬剤師に相談してから購入するのが安心
- 口コミだけに頼らず、正規販売店かどうか・販売元の信頼性を確認する
医療用といっても、市販の着圧ソックスと見た目が似ているものも多いため、機能や認証の有無をしっかり見極めることが大切です。

石川 敦哉
理学療法士、フットケアアドバイザー
足の疲労と血流障害のケア
医療用弾性ストッキングは、正しい圧力設計と適切なサイズ選びが重要なサポートアイテム。
通販は便利な反面、「医療機器のように見えるだけ」の商品も存在するため、医療機器認証番号や圧力値(mmHg)の明記があるかを必ず確認 また、症状に合わない製品を選んでしまうと、かえって血流に悪影響を及ぼす可能性もあるため、少しでも不安がある場合は、医師や薬剤師に相談してから購入するのが安心です。
医療用弾性ストッキングは保険適用される?
医師の診断や症状によっては、医療用弾性ストッキングの購入費用が保険適用となる場合があります。
特に「下肢静脈瘤」「リンパ浮腫」「深部静脈血栓症」などの治療目的で医師が必要と判断した場合、療養費として一部が支給される可能性があります。
保険適用に必要な書類
保険適用を受けるには、以下のような書類が必要です。
- 医師の意見書(指示書)
- 領収書・購入証明書
- 申請書(健康保険組合へ提出)
※詳しくは、通院中の医師や健康保険組合に確認してください。
医師の診断や症状によっては、医療用弾性ストッキングの費用が健康保険の対象となることがあります。これは「治療用装具」として認められた場合、購入費の一部が「療養費」として支給される仕組みです。
保険適用となる主な例
- 下肢静脈瘤の治療中
→弾性ストッキングの着用が血流改善の一環として医師から指示されている場合 - リンパ浮腫(がん手術後の合併症など)
→圧迫療法の一環として必要とされるケース - 深部静脈血栓症(DVT)・血栓後症候群
→再発予防や慢性浮腫への対応として着用を指示された場合 - 長期臥床・術後の血栓予防
→医師による「血栓リスクが高い」と判断された患者への予防目的
市販の着圧ソックスでは保険適用の対象にはなりません。医師が「医療用弾性ストッキングが必要」と診断し、その上で適切な書類を揃えることが条件です。
保険申請に必要な書類
- 医師の意見書(指示書)
- 購入時の領収書や証明書
- 療養費支給申請書(健康保険組合へ提出)
申請の手続きや書類の形式は保険の種類(協会けんぽ・国保・共済など)により異なります。必ずかかりつけの医師や、加入している健康保険組合に確認するようにしましょう。
よくある質問(FAQ)
まとめ|信頼できる場所で、正しく選ぼう
医療用弾性ストッキングは、ただの着圧アイテムではなく、医療的な知識や目的に基づいて使用すべきサポートアイテムです。
そのため、自己判断で適当な商品を選ぶのではなく、病院・薬局・医療機器専門店・正規通販など、信頼できる販売ルートを選ぶことがとても大切です。
症状や目的に合わない製品を使うと、十分な効果が得られないどころか、かえって脚に負担をかけてしまう可能性もあります。
「どれを選べばいいかわからない」と感じた場合は、迷わず医師や薬剤師に相談しましょう。
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