「足が第二の心臓ってどういう意味?」「本当にそんな役割があるの?」
そんな疑問を感じた方へ、この記事では足が“第二の心臓”と呼ばれる理由を、解剖学や血流の仕組みに基づいてわかりやすく解説します。
結論からいえば、ふくらはぎの筋肉は、下半身に溜まった血液を心臓に押し戻す“ポンプ”として働いているため、まさに第二の心臓といえる存在です。
特にに長時間の立ち仕事や運動不足によってふくらはぎの筋肉が機能しないと、血流が滞り、むくみ・冷え・だるさといった不調が現れやすくなります。
記事後半では、足のポンプ機能を高める方法や、むくみ・疲労のケア法も紹介しています。
健康維持や疲れにくい体づくりのヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。
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石川 敦哉
理学療法士、フットケアアドバイザー
足の疲労と血流障害のケア
医療系大学卒業後、都内のリハビリテーションセンターに勤務。理学療法士として、歩行障害・足の疲労・むくみケアなどの臨床に15年以上従事。現在はシニア層や立ち仕事に従事する方への足のセルフケア指導、靴やインソールの選び方セミナーなども行う。Webメディアでも「専門的すぎない、でも理論的」と好評のコラムを寄稿中。
足が第二の心臓と呼ばれる理由
- 下半身の血液を心臓に戻す“ポンプ”の役割
- ふくらはぎの筋肉が血流を支える
- 重力の影響を受けやすい“足先”の循環を助けている
足、特にふくらはぎの筋肉は、医学的にも非常に重要な役割を担っています。
その最大の理由は、重力に逆らって下半身の血液を心臓に戻す“ポンプ”のような働きをしていることにあります。
人間の体は、全身に酸素や栄養を運んだあとの血液を心臓へ戻す必要がありますが、足は体の最も下にあるため血液がたまりやすく、放っておくとむくみや冷え、だるさなどの症状を引き起こします。
そこで活躍するのがふくらはぎの筋肉 この働きが、足を「第二の心臓」と呼ぶゆえんなのです。
つまり、ふくらはぎがしっかり動いている=心臓を助けて全身の血流をサポートしているということ。
長時間立ちっぱなしや運動不足でこの機能が低下すると、血流障害や体調不良にもつながりやすくなるため、普段からのケアが非常に大切です。

石川 敦哉
理学療法士、フットケアアドバイザー
足の疲労と血流障害のケア
ふくらはぎの筋肉は、静脈の血液を押し上げる“筋ポンプ”の役割を担っています。特に立位や歩行時にしっかりと収縮して働くため、運動不足や同じ姿勢のままだと血流が滞りがちになります。
“第二の心臓”という表現は、決して大げさではなく、全身の循環機能にとって重要な視点です。
ふくらはぎの筋ポンプ機能とは?
足が“第二の心臓”と呼ばれる背景には、「ふくらはぎの筋肉」が血流に果たしている重要な役割があります。
その中でもとくに注目すべきなのが筋ポンプ機能と呼ばれる仕組みです。
ふくらはぎの筋肉がポンプのように収縮・弛緩を繰り返すことで、下半身に滞りがちな血液を上半身へと押し上げるこの機能は、全身の循環を支えるうえで欠かせないもの。
ここではその仕組みと働きについて、医学的な視点からわかりやすく解説していきます。
静脈の構造と逆流防止の仕組み
心臓から送られた血液は動脈を通って全身に届き、役割を終えた血液は静脈を通じて心臓へ戻ります。
しかし、下半身から心臓までは重力に逆らう必要があるため、そのままでは血液が逆流してしまいます。
そこで活躍するのが静脈の中にある“逆流防止弁”です。これにより、血液が一方向(心臓側)にしか流れないようになっています。
さらに、ふくらはぎの筋肉が収縮することで血管を圧迫し、血液を上へ押し上げるという流れがつくられます。
筋肉の収縮が血液を押し上げる
ふくらはぎの筋肉は、歩く・立つ・かかとを上げるといった動作で自然と動き、静脈の血液を“ポンプ”のように押し上げます。
この働きを「筋ポンプ作用」と呼び、全身の血流循環を支える非常に大切な機能です。
長時間座ったまま・立ったままの状態が続くと、この筋ポンプが働かず、血流が停滞してしまいます。
その結果、むくみや足の重だるさ、ひどい場合は静脈瘤などの症状につながることもあります。

石川 敦哉
理学療法士、フットケアアドバイザー
足の疲労と血流障害のケア
ふくらはぎの筋肉は、まるで“静脈に添えられた心臓”のような存在です。動かさない時間が長くなると、血液はどんどん足元にたまり、全身の巡りも悪くなります。意識的に動かすことが健康の鍵になります。
第二の心臓がうまく働かないとどうなる?
ふくらはぎの筋肉がしっかり働かないと、血液やリンパの流れが滞り、さまざまな不調につながります。
ここでは、第二の心臓がうまく機能しないことで起きやすい体の変化について解説します。
- むくみが起きやすくなる
ふくらはぎが動かないと血液やリンパがたまり、夕方に足がパンパンに。 - 冷えを感じやすくなる
血流が滞ると末端に熱が届かず、足元が冷える原因に。 - 足のだるさ・重さが抜けない
酸素や栄養が行き渡らず、疲労感が蓄積しやすくなります。 - 全身の不調につながる
血行不良が続くと、頭痛・肩こり・免疫低下などを引き起こすことも。 - 老廃物がたまりやすくなる
運動不足が続くと代謝が滞り、むくみや肌荒れの原因にも。
むくみ・冷え・だるさの原因に
ふくらはぎの筋ポンプ機能が十分に働かなくなると、下半身に血液やリンパ液が滞り、むくみや冷えが起こりやすくなります。
とくに夕方になると足がパンパンに張ってくる、靴下の跡がくっきり残るといった状態は、筋ポンプの低下による典型的なサインです。
また、酸素や栄養がスムーズに運ばれなくなるため、足のだるさ・重さ・疲労感も強く感じやすくなります。
慢性的な血行不良が体全体に悪影響
第二の心臓(ふくらはぎ)が機能しない状態が続くと、全身の循環機能そのものが低下し、冷え性・頭痛・肩こり・免疫力の低下など、さまざまな不調に波及することもあります。
特に運動不足の方や、立ち仕事・デスクワークが多い方は注意が必要です。
筋ポンプが働かない時間が長いほど、老廃物が体内に滞留しやすくなるため、定期的なストレッチや軽い運動で“第二の心臓”を動かす習慣が大切です。

石川 敦哉
理学療法士、フットケアアドバイザー
足の疲労と血流障害のケア
ふくらはぎの役割は局所的に見られがちですが、実際には“全身の健康を支える基盤”です。足元の不調は、体調全体のバロメーターともいえるので、小さなサインも見逃さないことが大切です。
足の“心臓力”を高める習慣とは
ふくらはぎの筋ポンプ機能=“第二の心臓”を元気に保つには、日常の中で少しずつ動かす習慣が重要です。
以下のような簡単なケアを継続することで、血流の改善や足の軽さを実感しやすくなります。
- 湯船に浸かって温める
冷えた足を温めることで血管が広がり、全身の巡りが良くなります。 - ふくらはぎのストレッチ
朝晩の軽いストレッチで、筋肉の柔軟性と血流アップを促進。 - かかと上げ・つま先立ち運動
仕事の合間や歯磨き中にもできる簡単エクササイズ。 - 弾性ソックスの着用
日中のむくみ予防に。弱圧タイプでも効果あり。 - ふくらはぎマッサージ
足首から膝に向かって流すようにマッサージすると血流が促進されます。
ふくらはぎの筋肉が硬くなると血流が悪くなりがち。自宅で手軽に使えるフットマッサージャーは、第二の心臓をやさしくほぐすアイテムとして非常におすすめです。
→足裏とふくらはぎを徹底ケア!フットマッサージャーおすすめ5選
まとめ|足を動かすことは“心臓を助けること”
ふくらはぎの筋肉は、血液を心臓へ押し戻す“第二の心臓”として、私たちの体を静かに支えてくれています。
その働きが弱まると、足の不調だけでなく、全身の巡りや体調にまで影響が及びます。
ストレッチや軽い運動、正しい靴選びや弾性ソックスなど、できることから少しずつ取り入れてみましょう。
足を動かすことは、あなたの健康を守り、心臓の働きをサポートすることにつながります。
毎日の習慣が、未来の体をつくります。今日から“第二の心臓”を意識して、大切にケアしていきましょう。
歩行時の負担を減らすには、インソールの見直しも効果的です。
アーチをしっかり支えるインソールは、ふくらはぎの筋肉への負担を軽減し、“第二の心臓”の働きをサポートします。
→ 【2025年最新】疲れないインソールおすすめ7選|立ち仕事・長時間歩行に最適!
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