「医療用弾性ストッキング」と「着圧ソックス」は、どちらも足のむくみや血流のサポートに使われるアイテムですが、目的や圧力、使用シーンには明確な違いがあります。
「どっちを選べばいいの？」「医療用って誰でも使えるの？」と迷っている方へ向けて、この記事ではそれぞれの特徴をわかりやすく比較し、選び方や注意点まで詳しく解説。軽いむくみ対策から、静脈瘤・リンパ浮腫などの医療管理が必要なケースまで──
あなたの目的に合ったケアアイテムがきっと見つかります。
石川 敦哉
理学療法士、フットケアアドバイザー
足の疲労と血流障害のケア
医療系大学卒業後、都内のリハビリテーションセンターに勤務。理学療法士として、歩行障害・足の疲労・むくみケアなどの臨床に15年以上従事。現在はシニア層や立ち仕事に従事する方への足のセルフケア指導、靴やインソールの選び方セミナーなども行う。Webメディアでも「専門的すぎない、でも理論的」と好評のコラムを寄稿中。
医療用弾性ストッキングとは？
- 一般医療機器に分類
- 医師の指導が必要な場合も
- 血栓・リンパ浮腫など医療目的に使用
医療用弾性ストッキングは、静脈瘤・リンパ浮腫・深部静脈血栓症（DVT）などの治療や予防を目的に使われる一般医療機器です。医師の指導のもとで着用がすすめられることもあり、段階的に強い圧力をかけて血流をサポートする点が特徴です。
一般的なむくみ対策用のソックスとは異なり、圧力値や使用目的が明確に規定されているため、症状の程度に応じて適切な製品を選ぶ必要があります。とくに術後ケアや慢性的な血流障害がある場合には、医療従事者のアドバイスを受けることが重要です。
石川 敦哉
理学療法士、フットケアアドバイザー
足の疲労と血流障害のケア
医療用弾性ストッキングは、血栓症や静脈瘤、リンパ浮腫などを治療・予防するための医療機器です。圧力値が明確に管理されており、医師の指導が必要なケースもあります。一方、市販されている着圧ソックスは、むくみ対策や冷え予防など日常的なケアを目的としたアイテム。圧力は控えめで、気軽に取り入れやすいのが魅力です。
両者は似て非なるもの。症状がある方は自己判断せず、医師に相談してから選ぶことが大切です。
着圧ソックスとは？
- 市販品中心・ファッション性や軽いむくみ対策向け
- 旅行・立ち仕事・むくみ防止など
着圧ソックスは、足首からふくらはぎにかけて段階的に圧力をかけることで、血行促進やむくみ軽減をサポートする靴下です。市販品が中心で、医療機器に該当しないものが多く、ファッション性や日常使いのしやすさも重視されています。
主に以下のような目的で使われています。
- 長時間の立ち仕事やデスクワークによるむくみ防止
- 飛行機や電車など長距離移動時のエコノミークラス症候群対策
- 冷えやだるさの軽減
医療用ほどの強い圧力はなく、日常的な疲れや軽度のむくみに対応した「セルフケアアイテム」として人気があります。
石川 敦哉
理学療法士、フットケアアドバイザー
足の疲労と血流障害のケア
着圧ソックスは、立ち仕事や長時間の移動による足のむくみを和らげたい人におすすめのアイテムです。医療機器ではないため、圧力はややソフトで、初心者でも気軽に取り入れやすいのが特徴。
市販モデルでも、ふくらはぎや足首を段階的にサポートすることで、血流を促進し疲れにくさを実感できる場合もあります。まずは日常ケアとして、無理のない範囲で使ってみると良いでしょう。
医療用弾性ストッキングと着圧ソックスの主な違いを一覧で比較
両者は見た目が似ていても、目的や効果・圧力の強さ・購入方法などに大きな違いがあります。以下の比較表で、それぞれの特徴を一目で確認してみましょう。
| 比較項目 | 医療用弾性ストッキング | 着圧ソックス |
|---|---|---|
| 圧力の強さ | 医療基準に準拠 | 軽〜中程度が中心 |
| 圧力の段階 | 足首が最も強く、上に向かって弱くなる段階式 | 段階式もあるが商品によりばらつきあり |
| 使用目的 | 医療目的（血栓予防・静脈瘤など） | 美脚ケア・むくみ対策 |
| 購入方法 | 医療機関や専門販売店中心 | ドラッグストア・ネット通販など |
| 保険適用 | 一部で可能（医師の指示あり） | 適用なし |
治療が目的なら弾性ストッキング、日常のむくみ対策なら着圧ソックスというように、目的に応じて選ぶのがポイントです。
目的別｜医療用弾性ストッキングと着圧ソックスはどちらを選ぶべき？
症状や目的によって、選ぶべきアイテムは異なります。以下を参考に、あなたに合ったタイプを見つけましょう。
- 医療的管理が必要な症状（例：下肢静脈瘤、リンパ浮腫、深部静脈血栓症など）
→医療用弾性ストッキング（医師の指導が望ましい） - 軽度のむくみ・立ち仕事・飛行機移動・冷え対策
→着圧ソックス（市販品で気軽に始められる） - ファッション性や日常使いを重視したい場合
→着圧ソックス（カラバリ・デザインも豊富）
石川 敦哉
理学療法士、フットケアアドバイザー
足の疲労と血流障害のケア
医療用と一般用では、見た目が似ていても目的と設計思想がまったく異なります。気になる症状がある場合は、まず医療機関に相談し、適切な圧力設計のものを選ぶことが大切です。
注意点｜誤った選び方は逆効果になることも
着圧アイテムは正しく使えば血流をサポートする強い味方になりますが、間違った選び方をすると、かえって逆効果になることもあります。とくに医療用弾性ストッキングは、医師の指導のもとで使用すべき専門的なアイテム。以下の点に注意して選びましょう。
- 圧力が強すぎると逆効果
必要以上に強い圧力は、血行不良やしびれを引き起こすリスクがあります。 - サイズ選びを間違えると効果半減
大きすぎても小さすぎても適切な圧力がかからず、十分な効果が得られません。 - 医療用を自己判断で使うのはNG
医療用弾性ストッキングは、症状や体の状態に応じた圧力設計がされています。必ず医療機関で相談のうえ選びましょう。
石川 敦哉
理学療法士、フットケアアドバイザー
足の疲労と血流障害のケア
医療用弾性ストッキングは、圧力値や使用時間を誤ると逆に脚へ負担をかけることがあります。軽いむくみや疲れ対策なら、市販の着圧ソックスから始めるのがおすすめです。
よくある質問（FAQ）
まとめ｜正しい選び方で、足の健康を守ろう
医療用弾性ストッキングと着圧ソックスは、見た目は似ていても目的や機能はまったく異なります。むくみや疲れの軽減を目的とするなら着圧ソックス、静脈瘤やリンパ浮腫といった医療的な管理が必要な症状には、医師の指導のもと医療用弾性ストッキングを使用するのが基本です。
いずれも自分の身体に合った圧力・サイズを正しく選ぶことが大切です。足の健康を守るために、商品選びは慎重に行いましょう。
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