いびきは、舌や下顎の位置によって気道が狭くなることが原因のひとつ。マウスピースを使うことで、その気道を確保し、いびきを軽減できる可能性があるんです。
この記事では、いびき防止マウスピースの効果や選び方をわかりやすく解説し、おすすめの商品を比較表つきでご紹介します。さらに、実際に使った方の口コミや、「どんなタイプの人に効果が出やすいか」まで丁寧にまとめました。

今真一
上級睡眠健康指導士第782号
【上級睡眠健康指導士第782号】睡眠(いびき・不眠等)に関わる悩みや疑問を解決するアドバイザーとして活動。他、寝具にも精通しており寝具レビューYouTubeの運営もおこなっている。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、効果・効能を保証するものではありません。
詳細はコンテンツポリシーをご確認ください。
いびき防止マウスピースとは?
いびきの原因はさまざまですが、中でも多いのが「睡眠中に気道が狭くなること」によるもの。マウスピースは、下あごや舌の位置を調整することで気道を広げ、いびきを軽減する役割を果たします。
ここでは、いびき防止マウスピースの基本的な仕組みや種類、医療用との違いについて、やさしく解説していきます。
マウスピースの仕組みといびきの関係

睡眠中のいびきは、空気の通り道である「気道」が狭くなることで起こります。特に仰向けで寝ると、舌がのどの奥に落ち込みやすくなり、気道が圧迫されて“ゴーッ”という音が発生します。
いびき防止マウスピースは、下あごを少し前に出した位置でキープすることで、舌の沈み込みを防ぎ、気道を広げていびきを抑える仕組みです。
「自分のいびきがうるさいかも…」「朝起きると喉が痛い」そんな方は、気道が狭くなっているタイプのいびきかもしれません。マウスピースの仕組みは、そんな方にぴったりのアプローチと言えるでしょう。
医療機関と市販品の違い

項目 | 医療機関で作るタイプ | 市販タイプ |
---|---|---|
フィット感 | 歯型に合わせて作るのでズレにくく、違和感が少ない | 自分で成形 or 既製サイズのため、多少の違和感あり |
効果の 安定性 | 高い。気道確保がしっかりできる | 個人差あり。合わないと効果を感じにくいことも |
価格 | 2万円〜5万円(保険適用外) | 1,000円〜5,000円程度 |
入手方法 | 歯科医院などで診察・作製が必要 | ネット・ドラッグストアなどで購入可能 |
おすすめ の人 | 重度のいびき・歯ぎしりがある人/長期的に使いたい人 | いびきが軽めの人/まずは試してみたい人 |
いびき防止マウスピースには、大きく分けて医療機関で作るタイプと市販タイプの2種類があります。
歯科医院で作るマウスピースは、自分の歯型に合わせてオーダーメイドされるため、フィット感が高く、効果も安定しているのが特徴です。自覚症状のみでは保険適用外のため、そのぶん費用はやや高めとなります。
▶いびき対策のマウスピースは保険適用?治療の流れと費用をチェック
一方、市販のマウスピースは、手頃な価格で気軽に試せるのが魅力。初心者向けのシリコン素材や、自分で成形できるタイプもあり、まず使ってみたい方にぴったりです。
目的や使用頻度に合わせて、ぴったりのタイプを選んでみてください。
いびき防止マウスピースの選び方
「種類が多すぎて、どれが自分に合っているのかわからない…」
そんな方のために、マウスピース選びで押さえておきたいポイントを3つに分けてご紹介します。
フィット感・価格・いびきのタイプなど、自分に合った条件を確認してみてください。
フィット感と素材は超重要
タイプ | フィット感 | 初心者向け | 特徴 |
---|---|---|---|
成形タイプ (お湯で型取り) | 高い (自分の歯型に合わせやすい) | ◎ (初めてでも扱いやすい) | お湯で温めて自分の 歯型に調整可能。 密着感が高く外れにくい。 |
シリコン素材 (柔らかめ) | やわらかくて 装着しやすい | ◎ (違和感が少ない) | 柔らかい装着感で、 圧迫感が苦手な人におすすめ。 |
樹脂素材 (硬め) | やや硬めだが 安定感あり | △ (慣れが必要) | 硬めの素材で長時間 でも型崩れしにくい。 |
マウスピースは毎晩口に入れるものだからこそ、装着時の違和感や痛みがないかが非常に重要です。
市販タイプの場合は、「お湯で柔らかくして自分の歯型に合わせる成形タイプ」がフィット感に優れています。また、柔らかめのシリコン素材は初心者にもおすすめ。一方で、やや硬めの樹脂タイプは安定感はありますが、慣れが必要です。
価格帯と使い捨て/繰り返しタイプ
市販のマウスピースは1,000円〜5,000円前後で購入できるものが多く、リーズナブルに始められるのが魅力です。
長期間使える「洗って繰り返し使えるタイプ」と、衛生面を重視した「使い捨てタイプ」があり、自分のライフスタイルに合ったタイプを選ぶのがおすすめです。
顎の形・いびきのタイプに合った選び方
いびきタイプ | 主な原因 | おすすめの対策 | マウスピース効果 |
---|---|---|---|
下顎が後ろに 下がるタイプ | 下顎が後方に下がる ことで気道が狭くなる | 下顎前方移動型マウスピース (スリープスプリント含む) | ◎ (非常に効果が出やすい) |
舌が大きく 喉に落ちるタイプ | 舌根沈下による 気道閉塞 | 舌を前に引き出す タイプのマウスピース | ◯ (製品により効果が期待できる) |
鼻づまり・鼻炎が 原因のいびき | 鼻呼吸が困難で 口呼吸になっている | 鼻腔拡張テープ 点鼻薬・耳鼻科相談 | △ (原因に対して効果が薄い) |
扁桃腺が 大きいタイプ | 物理的に喉が 狭くなっている | 耳鼻咽喉科での診察 (場合により手術) | ✕ (マウスピースでは改善しにくい) |
肥満による 気道の圧迫 | 脂肪により喉周り の気道が狭い | 医師相談+減量+CPAPなど医療的アプローチ | △ (補助的には使えるが根本対策には非対応) |
いびきの原因によって、効果を感じやすいマウスピースは変わります。
たとえば、「顎が小さい・下顎が後ろに下がるタイプ」のいびきには、下顎を前に出すタイプのマウスピースが有効です。反対に、鼻づまりが原因のいびきには効果が薄いこともあるため、自分のいびきのタイプを把握した上で選ぶと失敗がありません。
【比較表あり】いびき防止マウスピースおすすめ7選
市販されているマウスピースには、形状や素材、フィット感などさまざまなタイプがあります。
ここでは、いびきのタイプや使い方に応じて選びやすいおすすめ商品を厳選してご紹介。それぞれの特徴を比較できる一覧表もご用意しているので、はじめてマウスピースを試す方にもぴったりです。
気になる商品は、価格や装着感をチェックしながら選んでみてください。
商品名 | 価格帯 | 素材 | 成形方法 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
ななくる Dr.Qolis マウスピース | 約900円~ | EVA樹脂 | 熱湯に浸けて成型 | 自分の歯型に合わせて成形。やわらか素材でフィット感が高く初心者に人気 |
東京企画販売 いびきマウスガード | 約554円~ | EVA樹脂 | お湯で成形 | 歯型に合わせて成形可能。通気口付きで呼吸しやすい。 |
STZ スリープタイト | 約6,970円~ | エチレンビニール アセテート | お湯で成形 | 米国歯科医が開発。 下顎を前方に移動させ、 気道を確保。 |
MYHOMEDENTAL マウスピース | 約1,499円~ | EVA樹脂 | 電子レンジで成形 | 歯科医師監修。 簡単に成形でき、 フィット感が良い。 |
Snoreeze (スノアイーズ) | 約7,023円~ | エチレンビニールアセテート、サーモプラスチックコポリエステル | お湯で成形 | 5分で型取り可能。 ミリ単位で下顎の前方移動が調整可能。 |
いびき防止具 (特許マウスピース) | 約1,003円~ | ポリプロピレン | 成形不要 | 成形不要で簡単装着。 下顎を前方に移動させ、気道を広げる。 |
フクヤマ 歯科技工士が開発したマウスピース いびきくん | 約1,380円~ | シリコン | 成形不要 | 上下の奥歯に装着するだけ。目立ちにくく持ち運びに便利。 |
ななくる Dr.Qolis マウスピース

参考価格(税込) | 900円 |
---|---|
素材 | 本体:EVA樹脂 ケース:PP樹脂 |
ケース | あり |
サイズ | フリーサイズ、男女兼用 |
- 自分の歯型に合わせて簡単に成形できる
- やわらか素材でフィット感が高く初心者に人気
- 価格が手頃でコスパ◎
やわらかフィット&成形できる快適マウスピース
柔軟性のあるEVA樹脂を使用した、自分の歯型に合わせて成形できるマウスピース。熱湯に浸けて簡単にフィット調整ができ、初心者でも扱いやすいのが魅力です。
就寝時の歯ぎしりや軽度のいびき対策として人気。通気口付きの専用ケースが付属し、衛生的な保管・携帯も安心。コストパフォーマンスにも優れており、「とりあえず試したい」方におすすめのエントリーモデルです。
東京企画販売 いびきマウスガード

参考価格(税込) | 600円 |
---|---|
素材 | 本体:EVA樹脂 ハンドル:ABS樹脂 ケース:PP樹脂 温度計:ガラス |
ケース | あり |
サイズ | 幅61×奥行43×高さ26mm |
- 上下の歯をしっかり固定し口呼吸を防ぐ
- 歯ぎしり対策としても使える
- 中央に通気穴があり、息苦しさを軽減
いびきも歯ぎしりも同時に対策できる一本
上下の歯をしっかりと固定する設計で、口呼吸によるいびきだけでなく、歯ぎしりにも対応できるマルチタイプのマウスピース。中央には通気口があり、呼吸を妨げにくく快適な装着感を実現。温度計が付属し、自宅で簡単に歯型を取ることができます。価格もリーズナブルで続けやすく、はじめてマウスピースを使う方からリピーターまで幅広く支持されています。
ヤマオカ スリープタイト STZ

参考価格(税込) | 7,000円 |
---|---|
素材 | 本体:エチレンビニールアセテート(米国FDA承認品) ケース:ポリプロピレン |
ケース | あり |
サイズ | フリー |
- 下顎を前に出して気道を確保する設計
- 内側は柔らかく、外側はしっかりの二層構造
- 型取りが簡単でフィット感も良好
やわらかフィット&成形できる快適マウスピース
歯科医監修の設計で、下顎を前に出すことで気道を広げ、いびきの原因を根本からケアするマウスピース。内側は柔らかく外側は硬めの素材を採用しており、装着時の安定感と快適さを両立。型取りも簡単で、フィット感の高さが好評。睡眠時無呼吸症候群や重度のいびきに悩む方にも選ばれており、本格的に対策をしたい人におすすめのハイグレードモデルです。
MYHOMEDENTAL マウスピース

参考価格(税込) | 3,000円 |
---|---|
素材 | 本体:EVA樹脂 ハンドル:ABS樹脂 ケース:PP樹脂 |
ケース | あり |
サイズ | フリー |
- 歯科医師監修で設計された安心設計
- レンジで簡単に型取りができる
- EVA素材で柔軟性と弾力性に優れ、心地よい装着感
レンジでチン!簡単成形で快眠サポート
歯科医師監修のもと設計されたマウスピースで、EVA素材を使った柔軟性と弾力性に優れた仕様。電子レンジで加熱してから成形するタイプで、フィット感も良好。装着中の違和感も少なく、睡眠の質を妨げません。いびきや歯ぎしりが気になる方にとって、気軽に始められるセルフケアアイテムとして人気。保管ケース付きで衛生的にも安心です。
Snoreeze(スノアイーズ)

参考価格(税込) | 6,387円 |
---|---|
素材 | 本体外側:エチレンビニールアセテート 本体内側:サーモプラスチックコポリエステル 保管容器:ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン) |
ケース | あり |
サイズ | フリー |
- 英国製、下顎前方移動でいびき軽減
- ミリ単位で位置調整できる微調整機能付き
- 睡眠中も口を開けやすいオープン設計
英ブランド発!微調整できるプロ仕様
英国発のいびき対策ブランドSnoreezeの高機能マウスピース。下顎を数ミリ前方に移動させる設計で、ミリ単位で微調整が可能です。
口を開けたままでも装着できるオープンタイプで、長時間の使用でも快適さを維持します。睡眠中の舌の落ち込みを防ぎ、無呼吸や騒音レベルのいびきにお悩みの方におすすめ。やや高価ながらも機能性は抜群です。
特許マウスピース

参考価格(税込) | 2,800円 |
---|---|
素材 | 本体:ポリプロピレン |
ケース | なし |
サイズ | 2サイズ |
- 成型不要、入れるだけで簡単装着
- 下顎を自然に前に出して気道を確保
- 固定用テープ付きでズレにくい
成形不要!入れるだけでしっかりサポート
手間のかからない、成形不要のマウスピース。あらかじめ作られた形状を口に入れるだけで使用でき、初心者でも手軽にスタートできます。下顎を前方に出す構造で、気道をしっかり確保し、いびきの発生を抑制。付属のテープでズレ防止も可能。価格もお手頃で、手軽ないびき対策を求める方にとって強い味方となるアイテムです。
フクヤマ いびきくん

参考価格(税込) | 2,000円 |
---|---|
素材 | 本体:EVA ハンドル:エラストマー ケース:PET |
ケース | あり |
サイズ | ユニセックス |
- ケース付きで持ち運びにも便利
- 歯科技工士が開発した安心設計
- 奥歯に挟むだけで装着簡単・目立ちにくい
奥歯に挟むだけのミニマル設計
歯科技工士が開発した、上下の奥歯に挟むだけの簡単装着型マウスピース。成形や調整が不要で、就寝前にサッと使える手軽さが特徴です。小さめサイズで目立ちにくく、携帯性も◎。装着中の違和感も少なく、いびき対策を自然に続けたい方にぴったり。忙しい方や旅行先でも活躍する、ミニマルで使いやすい一本です。
マウスピースで効果が出やすい人・出にくい人の特徴
いびき対策としてマウスピースを使う場合、「どんなタイプのいびきか」によって、効果の出方が大きく変わってきます。効果が出やすい人・出にくい人の特徴を知っておくことで、選び方や判断の目安になります。
効果が出やすい人:顎が後ろに下がるタイプのいびきには特に効果的
- 下顎が後方に引っ込みやすい(いわゆる「受け口傾向」)
- 寝ていると舌が喉の奥に落ちやすいと指摘された
- 小顔で顎が小さい(気道が狭くなりやすい)
- 仰向け寝のときにいびきがひどくなる
- 朝起きたときに喉が乾燥して痛くなっていることが多い
- 横向きで寝るといびきが軽減することがある
睡眠中、下顎が後方に下がることで舌も喉の奥へ落ち込み、気道が狭くなってしまうタイプのいびきには、マウスピースがとても有効です。
下顎を前に固定することで、気道が広がり、空気の通りがスムーズになります。小顔タイプや、朝に喉が痛くなりやすい方もこのタイプであることが多く、改善が期待できます。
効果が出にくい人の特徴
- 鼻づまりや慢性的な鼻炎がある(口呼吸が原因のいびき)
- 舌が大きく、寝ると喉の奥に落ち込みやすい
- 扁桃腺が肥大している(特に子どもや若年層に多い)
- 肥満傾向で、首まわりや気道に脂肪がついている
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある(呼吸停止がある)
- 日中の強い眠気や頭痛など、慢性的な疲労感がある
- マウスピース装着後もいびきが改善されない
マウスピースは、下顎の位置を前方に保つことで気道を広げる構造です。そのため、いびきの原因が舌の大きさや位置、鼻づまり、扁桃肥大、アレルギー性鼻炎など他の部位にある場合には、十分な効果が得られないことがあります。
また、重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の方や、肥満によって気道自体が狭くなっているケースでも、マウスピースだけでは根本改善にはつながりにくいことがあります。
こんな人は医師の相談を!
いびきが重度だったり、「日中の強い眠気がある」「寝ている間に息が止まっていると言われた」などの症状がある場合は、自己判断で市販のマウスピースを使う前に、必ず医師に相談しましょう。
▶ 睡眠時無呼吸症候群セルフチェック
▶ 鼻中隔湾曲や扁桃肥大が原因?構造的ないびきの代表例と特徴
▶ 急にいびきをかくようになった原因とは?男女別に解説
専門家に相談したい!クリニックはどこを受けたらいい?
市販のマウスピースを使っても改善しない、いびきが重度で家族から心配されている、日中に強い眠気がある――
そんな方は、いびきの専門クリニックでの診察を検討してみましょう。以下で紹介するクリニックでは、ダウンタイムが少なく患者負担がほぼないことで評判のレーザー治療を中心におこなっています。
まとめ|自分に合ったマウスピースでいびきを軽減しよう
いびきは放っておくと睡眠の質を下げるだけでなく、パートナーとの関係や健康にも影響を与える可能性があります。
マウスピースは、そんな悩みを手軽にケアできるアイテムのひとつ。特に、下顎が後ろに下がるタイプのいびきには高い効果が期待できます。
とはいえ、マウスピースにも形状や素材、装着感の違いがあり、自分に合ったものを選ぶことがとても大切です。
まずは市販のマウスピースで試してみるのも良いですし、「いびきがひどい」「無呼吸かも」と感じた方は、医療機関での相談も視野に入れてみてください。
あなたにぴったりのマウスピースを見つけて、静かで快適な夜を取り戻しましょう。
コメント